戦争がストーリーの根幹にある『ガンダム』シリーズでは、人体実験や大量破壊兵器などの非人道的な行為が描かれることも多い。現在好評放送中の最新作『機動戦士ガンダム 水星の魔女』は学園を舞台にした物語だが、ストーリーが進むにつれて、最新テクノロジーにまつわる残酷なシーンが描かれ出しており、毎週日曜日に最新話が放送されるたびに視聴者が騒然となっている。
そんな外道ともいえる行為が描かれれば、当然見ているだけでその行いが不愉快になるクズ過ぎるキャラもいる。今回は『ガンダム』シリーズに登場する、いろいろな意味でのクズキャラを振り返りたいと思う。
■気分で人の人生をぶち壊す悪女
『機動戦士ガンダム0083』のニナ・パープルトンや、『機動戦士Vガンダム』のカテジナ・ルース。ガンダムファンにとっては「悪女」と聞けばすぐに思い浮かぶ代名詞的キャラが複数いると思うが、『機動戦士ガンダム00』の中盤に差し掛かる頃に登場するチームトリニティの末妹であるネーナ・トリニティもそのひとりだろう。
声優を務める釘宮理恵の声がマッチした、赤い髪の非常にかわいい見た目のネーナ。人気の高いキャラクターではあるものの、作中での彼女はただひたすらに身勝手で残酷な人間として描写されている。その悪行は、容姿や釘宮ボイスを帳消しにするほど、見る人を不快にさせるものばかり。
有名なのは、ルイスの親戚の結婚式を襲撃したシーン。「自分たちは戦っているのに呑気に遊んでいたから」と、意味もなく結婚式場にビームライフルを発射したのだ。これによりルイスの親戚や両親は死亡し、彼女自身も左手を失い、ビームライフルに使われたGN粒子の後遺症に苦しむことになった。
ただ、ネーナ自身はガンダムパイロットになるためだけに育てられた存在で、常人の倫理感を持ち合わせていないという擁護する点もある。最終的にネーナは、自分の気まぐれで全てを奪ったルイスに殺害され、因果応報のお手本ともいえる最期を遂げており、かわいそうなキャラクターではあった。
きっちり報いを受けるのは「ガンダム」シリーズのお約束とは言え、絡みの多かった王留美といい、ネーナ周りは悲惨な末路をたどるキャラが多い。