毎週日曜日の朝といえば、テレビ朝日系列で放送されるニチアサ番組『プリキュアシリーズ』『仮面ライダーシリーズ』『スーパー戦隊シリーズ』、そしてその裏で放送されているフジテレビ系列のアニメをぶっ続けで見るという、アニメ・特撮リレーをルーティンにしている人は多いと思う。
多くの子どもたち、そして大人たちを夢中にしてきた日曜朝のテレビ番組は昭和の時代から変わらずあり、かつてのフジテレビでは特撮枠である「東映不思議コメディーシリーズ」が人気だった。
1981年の『ロボット8ちゃん』に始まる『バッテンロボ丸』『勝手に!カミタマン』などの「ロボット・生物シリーズ」。続いて1987年から『おもいっきり探偵団 覇悪怒組』『じゃあまん探偵団 魔隣組』の2作が放送された「探偵団シリーズ」。そして1989年の『魔法少女ちゅうかなぱいぱい!』から始まった「美少女シリーズ」。中でもこの美少女シリーズは当時の女子・男子ともに愛されたシリーズだった。残念ながら6作品で幕を閉じてしまったが、今回は約30年ぶりに同シリーズの名作をいくつか振り返りたいと思う。
■全てはここから始まった『魔法少女ちゅうかなぱいぱい!』
東映不思議コメディー美少女シリーズの記念すべき一作目は1989年1月からスタートした『魔法少女ちゅうかなぱいぱい!』だった。
80年代後半のフジテレビ系の実写ドラマでは『スケバン刑事』や『少女コマンドーIZUMI』が人気を集めていた時代で、その要素を取り入れて「アイドル+特撮」の新作として動き出したのが新人アイドル・小沢なつきを主人公に起用した同作。
魔法少女の「ぱいぱい」が中華魔界から逃げ出して人間界にやってくるという物語で、普段は地味なメガネ少女がカンフー服の魔法少女に変身をする。『幽幻道士』のテンテンちゃんや高橋留美子氏の漫画『らんま1/2』など、80年代後半のカンフー少女ブームに連なる作品のひとつで、とにかく主人公がかわいく魅力的だった。
視聴者の反応は好調で、アイドル要素を取り入れたことにより、子どもだけでなく一般層の大人も視聴するようになり、好調な滑り出しとなった。しかし主演の小沢なつきの事情により、一年間放送予定のところが急遽半年で終了の運びとなってしまった。
しかし、東映不思議コメディー美少女シリーズは途切れることなく、島崎和歌子を主人公に起用した『魔法少女ちゅうかないぱねま!』が後番組として放送開始。前作の世界観を踏襲したストーリーで、同作もやはり中華魔女・いぱねまが魅力的だった。