フォウ・ムラサメ、エルピー・プル…戦争に利用された『ガンダム』女性強化人間たちの“哀しき最期”3選の画像
『機動戦士Zガンダム大事典 復刻版』(ラポートデラックス)(C)サンライズ・創通エージェンシー

 ニュータイプという概念がシリーズを通じて重要な位置づけとなっている『機動戦士ガンダム』作品には、人為的に能力を向上させられたキャラクター、いわゆる「強化人間」も数多く登場する。とりわけ宇宙世紀シリーズでは、女性強化人間たちの切ない姿や生き様がファンの胸を打ったものだ。

 今回は、戦争の駒として利用され続けた挙げ句、哀しすぎる結末を迎えた強化人間の女性たちを紹介したい。

■フォウ・ムラサメ 戦場に散った儚い恋

 女性強化人間といえば、やはり『機動戦士Zガンダム』のフォウ・ムラサメだろう。戦災孤児だったフォウは、地球連邦軍のムラサメ研究所(ニュータイプ研究所)に引き取られ、強化人間として改造された。彼女の名前である「フォウ」は、4番目(four)の被験者であることから名付けられている。

 第19話「シンデレラ・フォウ」では、敵同士であるカミーユと気持ちを通じ合わせる描写が見られた。カミーユに言った「敵になるのをやめて私に優しくしてよ」というセリフは、強化人間でありながら16歳の少女であるジレンマが垣間見える切ないセリフだ。

 フォウが儚く散ったのは、第36話「永遠のフォウ」。ティターンズにさらなる強化改造を行なわれながらも、カミーユの呼びかけで正気を取り戻したフォウ。しかし直後、ジェリド・メサのバイアランがカミーユに対しビームサーベルで攻撃を仕掛け、フォウはカミーユをかばい戦死した。

「カミーユ悲しまないで。これで私はいつでもあなたに会えるわ。本当にあなたの中に入ることができるんだから」という最後のセリフは、戦争に利用され続けた強化人間としても、16歳の恋の終わり方としてもあまりに哀しすぎる結末だろう。

■エルピー・プル 幼い少女が背負った十字架

 次に紹介するのは『機動戦士ガンダムZZ』のエルピー・プルだ。

 キュベレイMk‐Ⅱを駆って初登場したプルは、ファンネルの攻撃でジュドーたちを苦しめたが、第23話「燃える地球」でグレミー・トトに誤射されると、そのまま地球に降下。大気圏で燃え尽きそうなところをジュドーに救出され、以降はアーガマ隊と行動を共にする。

 10歳(厳密には11歳)のプルはジュドーをお兄ちゃんと慕い、ジュドーもプルに対して兄のように接したが、第36話「重力下のプルツー」において、サイコ・ガンダムMk‐Ⅱと交戦中のジュドーをかばって戦死してしまう。

 プルはこの時、サイコ・ガンダムMk‐Ⅱに搭乗するパイロットが、自身のクローン「プルツー」であると気づき、次のセリフを口にする。

「人はね、人間はね、自分を見るのが不愉快なのよ。でもね、どんなに不愉快でも、どんなに憎くっても、自分自身を殺すことも、自分自身をやめることも出来ないのよ」

 自身が強化人間として、クローンとして利用され続けたことを呪いながらも、どこか運命を受け入れたように語ったプル。

 そして「私よ、死ね」と言葉を残して、キュベレイMk‐Ⅱと共に爆発した。強化人間とクローンの十字架を背負った少女の死は、あまりにも哀しい最期だった。

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