■サザンの桑田佳祐「鎌倉の奥深い世界を表現したい」西岸作品への思い
そんな西岸作品が、実は日本を代表するミュージシャンに大きな影響を与えていたことをご存知だろうか。
「2022年10月28日に放送されたTBSの人気バラエティ『マツコの知らない世界』では、国民的バンド・サザンオールスターズの桑田佳祐さん(66)の妻で、サザンのキーボードを担当する原由子さん(65)が登場。
番組では原さんが鎌倉の魅力を紹介するとともに、桑田さんが楽曲作りの際、どんなテーマで曲を作ればいいのか煮詰まった時に、西岸先生の代表作である『鎌倉ものがたり』に出会って“このような鎌倉の奥深い世界を音楽の1つのスタイルとして表現して行けたらいいな”と思った、ということを告白。
実際、1985年にリリースされたサザンオールスターズ8枚目のアルバム『KAMAKURA』の制作に、大きな影響を受けたそうです」(前同)
このアルバムは累計売上枚数95万枚を超えるヒットを飛ばし、その年の日本コード大賞の優秀アルバム賞を受賞する名作となった。
他の大物ミュージシャンは、より西岸氏に近い立場で、大きな影響を受けていたという。
「ミュージシャンの細野晴臣さん(75)は、西岸先生と立教高校(現:立教新座高校)、立教大学の同級生だったんです。しかも、細野さんはもともと漫画家志望でしたが、同級生の西岸先生の才能に感服し、漫画家を諦めて音楽家を志したといいます。
細野さんは当時のエピソードを雑誌『宝島』(1976年9月号)でのインタビューで“ぼくは西岸良平のライヴァルだったんだ”と話し、西岸先生について“彼の描く漫画の人気は大したものだ。ぼくは感心してしまう。彼はいつあんなにアイデアをためたのだろう? あの線はどうやってあみだしたのだろう? なぜ毎週毎週、あのような素晴らしい漫画が描けるのだろう? あァ、本当に漫画家にならなくて良かった”と評していました。深いリスペクトが感じられる話ですよね」(前同)
さらには、あの矢沢永吉(73)も西岸作品のファンを公言していた。