■『銀魂』と『SKET DANCE』のクロスオーバー

 続いては空知英秋氏による漫画『銀魂』に篠原健太氏による漫画『SKET DANCE』のキャラが登場するというものだ。これは『銀魂』41巻の特別編に収録されているエピソードで、万事屋とスケット団のどちらが「ジャンプのなんでも屋」に相応しいかを競うというものだ。

 そして、このコラボは『SKET DANCE』の20巻にも収録され、銀さんや神楽や新八が次元転送装置の故障でスケット団の部室に来てしまうという内容にもなっている。このように、それぞれの作品内で作者が他のキャラを描くパターンは、いろんな意味で面白い。

 篠原健太氏は空知英秋氏のアシスタントだったということから実現したであろうこのクロスオーバー企画。コラボについては『銀魂』で空知氏が裏話を明かしており、アシスタントとしていろんな面で助けてもらった恩がある、ということで篠原氏からの合作の打診を快諾したそうだ。

 コラボ作品の実現には、このような作者同士の深い交流もあるので、裏事情を知ることでより楽しむことができる。

■北条司作品の人気キャラが集結

 他作品のキャラクターが同じ世界線で登場するというサービスは、読者にとってまさに夢の展開だろう。

 2019年に公開された『劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ』ではそうしたスペシャル企画が実現しており、『シティーハンター』の世界に同じく北条司作品から『キャッツ・アイ』の来生三姉妹がレオタード姿で登場している。というのも、もともと『シティーハンター』は読切『シティーハンター-XYZ-』『シティーハンター-ダブルエッジ-』からスタートした作品。前者には喫茶店「キャッツ・アイ」もチラリと登場しており、同作で実に数十年ぶりのクロスオーバーとなった。

 クロスオーバーの作品のほとんどが遊び心から始まっている。それによって漫画家同士の繋がりやキャラの意外性を見ることもできるので、ファンとしては嬉しいところ。これからも予想外のキャラのコラボや、クロスオーバー作品が誕生してほしい。

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