1980年から1990年代といえば昭和から平成になる時代で、バブルの好景気と崩壊を味わっていた。そんな激動の時代には、数多くの漫画雑誌が本屋やタバコ屋に並んでいたものだ。
筆者の少年時代はまさに80年代のジャンプ黄金時代だったが、ほかにもさまざまな熱い漫画があったことを覚えている。そのなかの一つが『コロコロコミック』(小学館)だ。ジャンプとセットで購入していた子どもも多かったように思う。
そこで今回は、独特の面白みがあった1980年~90年代の『コロコロコミック』を紹介していこう。
■「つるセコ」節約術で笑わせてもらった『つるピカハゲ丸』
よくこんなタイトルを考えたものだと言いたい。のむらしんぼ氏による『つるピカハゲ丸』は、かなり衝撃を受けた作品だ。小学校5年生の主人公・ハゲ田ハゲ丸は、男子はハゲしか生まれないという一種の呪われた家系で育っており、なぜか舌が異様にデカいという特徴がある。
このハゲ田家は、とにかく“セコい”ことで有名だ。一家の節約術には「つるセコ」という造語がつけられており、現代だと流行語大賞になれるかもしれない。
子どものころはあまり考えなかったが、薄毛は遺伝なのかと大人になって悩むようになった今、「ハゲ田家よりもマシかも」と諦めがつくようになったものだ。
■下ネタで最高に面白かったギャグ漫画『おぼっちゃまくん』
とにかく下ネタが多かったのが、1986年から連載が始まった小林よしのり氏の『おぼっちゃまくん』だ。多々ある下ネタのなかでもたびたび登場する、主人公・御坊茶魔と息子を溺愛する父親・亀光が互いに舌をペロペロする描写はどう考えても気持ち悪かった(……というかムリ……)。
しかしこの父親、御坊財閥の総帥で役員報酬はひと月に10億円。世界有数の資産家であり、世界経済をも動かすといわれるただ者ではない人物なのだ。
御坊家の所有物もすごい。敷地内の地下には小田急線につながる駅があり、専用列車も完備されている。それ以外にも、私設軍隊やスペースシャトルまで有しており、どうやったらあの息子ができあがるのだろう……と、不思議になってしまう。
ところで、本作は下ネタが過激すぎてPTAから問題視されていたが、そんな声にも負けないくらい、当時の少年たちは惹かれたものだった。
■「悪魔VS天使」シールが一大ブームに!『ビックリマン』
次に紹介するのは、『コロコロコミック』で1987年から竹村よしひこ氏によって連載がスタートされた『ビックリマン』だ。
『ビックリマン』というと、1980年後半からスーパーヒットを記録しているチョコレート菓子の『ビックリマン』をイメージする人も多いだろう。
これはシールの「悪魔VS天使」シリーズの要因があるのだが、人気を受けて『コロコロコミック』で話題を取り上げ、真っ先にタイアップをしていた。
筆者はすでに小学生の高学年になっていたので、シールにはあまり興味を示さなかったが、下級生たちは凄まじかった。当時社会問題となったチョコの廃棄を実際目の当たりにしたものだ。筆者的には、チョコの方がお得だったような気がするが……。