■『ドラえもん』に代表される藤子不二雄氏の作品たち
国民的漫画も『コロコロコミック』で楽しめた。昭和から平成、令和の現代まで大人気の『ドラえもん』だ。幼稚園児である筆者の次女でも当然知っており、もはや説明は不要だろう。
『コロコロコミック』では映画のストーリーも掲載しており、『のび太の魔界大冒険』や『のび太と鉄人兵団』などがあるのだが、鉄人兵団での少女型アンドロイドの「リルル」を思い出すだけで泣けてしまう……。
当時の『コロコロコミック』では、藤子不二雄氏(のちに藤子・F・不二雄氏、藤子不二雄A氏)の漫画を多く掲載していた。『キテレツ大百科』『忍者ハットリくん』『プロゴルファー猿』など、漫画だけでなくテレビアニメで心躍らせてくれた作品が楽しめたものだ。
■時代を先取りしたゲームバトル!『ゲームセンターあらし』
最後に紹介するのは筆者の少年時代に話題となった、すがやみつる氏の『ゲームセンターあらし』だ。『コロコロコミック』では1979年から1983年まで連載されていた作品だ。
主人公・石野あらしは、小学6年生で赤い帽子に赤いジャンパー、そして尖り切った出っ歯が特徴の天才ゲーマーだ。この当時、“ゲーマー”という言葉は浸透しておらず、ゲームセンターもちょっと怖いお兄さんが集まっていたので、小学生の筆者も一人では行けなかったものだ。
『ゲームセンターあらし』では必殺技が登場する。いや、ゲーム内ではなく、アーケードゲーム台のスティックとボタンを使った、あらし少年の必殺技だ。宙を舞う“ムーンサルト”(月面宙返り)、腕をすり合わせて電気を発生させて機械を狂わせる“エレクトリックサンダー”など、いったい何の意味があるのかと疑いたくもなるような大技が炸裂する。
しかし、この作品の素晴らしいところは時代を先取りした視点だろう。令和の今、ゲームバトルはもはや世界中で日常となっている。人前で対決し、ときに大会へ参戦して実況もあるシーンは、まさに「eスポーツ」の先駆けではないだろうか。
ここで紹介できなかった『コロコロコミック』の面白かった作品はまだまだ存在する。
『ダッシュ!四駆郎』、『かっとばせ!キヨハラくん』、『ラジコンボーイ』、『炎の闘球児 ドッジ弾平』、そして1996年から長期連載していた『ポケットモンスター』など、ここには掲載できないほどたくさんある。
黄金期ジャンプに引けを取らないほど少年たちの心を掴んでいた『コロコロコミック』は、やはり名作ぞろいの漫画雑誌といえるだろう。