■ジャケットには「魔法使い」もいるのに…『ソロモンの鍵』
ゲームに登場する「魔法使い」といえば、大きな帽子とマントを身に着け、携えた杖によって魔法を使って戦う……というイメージを抱く方も多いのではないだろうか。ゲームのジャケットに魔法使いがいるだけで、どんな冒険活劇が待っているのだろうとワクワクしてしまうものである。
1986年に『テクモ(現・コーエーテクモゲームス)』より発売された『ソロモンの鍵』のジャケットには、いかにも“魔法使い”といった人物が描かれ、飛び交う敵と戦う姿を見せている。
この見た目から「RPG」を連想したプレイヤーも多かったのだが、実はこのゲーム、魔法使いである主人公を操作してさまざまなステージをクリアしていく「アクションパズルゲーム」なのである。
とはいえ、パズルゲームとしてのクオリティは非常に高く、全50ステージとなかなかのボリュームを誇り、操作性も良いことから多くのファンを獲得した良作と呼べる一本なのだ。パズルも正解が一つではなく、自由度の高い攻略ができることがプレイヤーにウケた理由であろう。
パズルゲームでありながら、実はきちんとファンタジーを踏襲した背景ストーリーもあるなど、「ファンタジー=RPG」という図式ができあがりつつあったゲーム業界に、新たな風を吹かせた一作と言える。
ファミコンに限らず、ゲームのジャケットは作品ごとに異なるテイストで描かれ、見ている者の想像を掻き立ててくれる。当時はインターネットなどもないことから、店頭で手に取ったジャケットを見て「どんなゲームなんだろう」と思いを巡らせるのも、ゲームを買うことの醍醐味の一つであった。
ゲームの内容はもちろんだが、こういったジャケットのデザインに目を向けてみると、また違った発見があるかもしれない。