ファンネル機に乗ってオールレンジ攻撃をしたい、高機動モビルスーツで疾走感を味わいたい、巨大モビルアーマーに乗って圧倒的な質量感を味わいたいなど、自分がモビルスーツのパイロットになる姿を一度でも想像をしたことがある人は多いのではないだろうか。
過去に当サイトでは『機動戦士ガンダム』シリーズのファン約1300人に「ガンダムの世界にいたら乗ってみたい機体」についてアンケート調査を行ったが、その際は「Zガンダム」や「νガンダム」といったスタイリッシュな機体に票が固まった。このあたりは多くの人が納得する結果と思われるが、では逆に「これには乗りたくない」のはどの機体だろうか。今回は筆者が個人的な目線で遠慮したいと思うものをいくつか紹介したい。
■ボール
乗りたくないモビルスーツの代表といったら「ボール」だろう。質よりも数を重視して開発されたボールは、宇宙用作業ポッドにキャノン砲を装備させただけという簡易的なモビルスーツだ。多くの場合はザク以上の機体に歯が立たないやられ役。『機動戦士ガンダム』42話のア・バオア・クー攻略戦ではまさにサッカーボールのようにザクに蹴られて爆破するシーンもあった。
劇中の設定でも兵士からは「棺桶」呼ばわりされ、乗りたくないモビルスーツの代表格となっている。とはいえ撃墜されない限りはパイロットの命は脅かされない。性能も戦闘機かそれ以上はあるので安全面ではマイルドなほうだと思われる。
■オッゴ
続いても「棺桶」系のMS。『機動戦士ガンダム MS IGLOO』に登場した「オッゴ」は、一年戦争末期のジオン軍がモビルスーツ戦力を補充するために緊急で開発したモビルスーツで、ドラム缶に腕だけを生やしたような形。そのコンセプトを見るにまるでジオン版のボールのような機体だ。ただしジェネレーターはザクII流用で、武装もザク・マシンガンヤシュルツム・ファウストなどビーム兵器以外のものは使えるので、ボールよりも戦闘力は高そうだ。
■ヅダ
続いては同じく『機動戦士ガンダム MS IGLOO』に登場するヅダ。ボールやオッゴと違って、いわゆる2足歩行タイプのちゃんとしたモビルスーツなのだが、エンジンに欠陥があるのが痛いところ。製造された4機のうち2機がエンジンの暴走により空中分解しているのだ。
とはいえ、ジムとの高速機動勝負においてはジムのほうが先にエンジントラブルを起こしていることに加え、残りの2機は終戦まで残存している。このことから、エンジンを酷使しなければ比較的高性能で、生存性はむしろ高い機体とも考えられる。乗りたくない度は、人によっては低いかもしれない。