■ガンダムデルタカイ
先述したZガンダムやνガンダムなど、憧れの機体として名が上がることが多いガンダムだが、「ガンダムデルタカイ」だけは遠慮したいところ。
ゲーム『機動戦士ガンダムUC』や漫画『機動戦士ガンダム U.C.0094 アクロス・ザ・スカイ』に登場する「デルタカイ」にはパイロットに疑似的にニュータイプ能力を付与する新型サイコミュシステム「ナイトロ」が搭載されている。
ニュータイプになれるシステムと聞くと逆に乗りたくなるが、副作用がとにかく致命的。ナイトロシステムが起動するたびに脳内を書き換えられてしまい、徐々に強化人間になってしまう。ニュータイプを味わえてもその先に悲劇が待っているのは言うまでもないだろう。
■モビルファイター
『機動武闘伝Gガンダム』のモビルファイターには乗ってみたい。モビルファイターにはモビルトレースシステムが採用されているので、自分の体の動きをトレースしてまるで体の動きがそのまま伝わるかのようにモビルファイターを動かせるのだ。直感的に機体を動かせる、多くのロボアニメファンにとって憧れの設定だろう。
しかし同時に乗りたくない機体でもある。というのも、パイロットスーツを着る際に強烈な圧力がかかるため、常人が乗るとパイロットスーツを着ただけで圧死してしまう危険性があるのだ。体を鍛えてガンダムファイター並みの身体能力になるまでは乗りたくない機体だ。
■サイコ・ザク
モビルファイターが無理ならば、2015年にOVA化された太田垣康男氏の漫画『機動戦士ガンダム サンダーボルト』に登場する「サイコ・ザク」はどうだろうか。
サイコ・ザクも「リユース・P・デバイス」によって、同じくまるで自分の手足を動かすように操ることのできるモビルスーツだ。
しかしこちらには、あまりにも重大すぎる欠点がある。リユース・P・デバイスを動かすには四肢の切断が必要だからだ。パイロットの四肢を切断し、専用の義手や義足を通して脳の思考を直接モビルスーツに伝えるのがリユース・P・デバイス。これによって誰もが直感的に機体を操ることができるようになったのと同時に、大幅な訓練期間の削減が実現したが、「リユース(再利用)」とは名ばかりのあまりにも残酷なモビルスーツだ。
また、サイコ・ザクが登場する『サンダーボルト』での描写から推察するに、もともとニュータイプ並に機体を動かせる優秀なパイロットでなければ、それほど自由自在な機動力は得られないのではないかという疑惑も出ている。四肢の切断と引き換えに乗るにはあまりにリスクが高そうだ。
他にもパイロットの精神に負担をかけて死亡させるEXAMシステムやHADESシステム、ガガやジッコ、パブリクといった特攻機がある。相対的に見てボールやヅダのほうがまだ良心的な設計となっているぐらい、乗りたくないモビルスーツが沢山あることが分かった。