ドロンボーやピラフ一味、ロケット団も! 主人公に負けてボロボロでも一生懸命…どこか憎めない“愛すべき悪役キャラクター”3選の画像
タイムボカンシリーズ『ヤッターマン』DVD-BOX 2

 漫画やアニメの世界では、主人公らの前にさまざまな悪役たちが立ちはだかるのだが、なかにはどこか愛嬌があり、憎めないキャラクターたちも存在する。敵対していながらもどこか人間臭く、ときに味方以上に読者や視聴者を惹きつける活躍を見せる「愛すべき悪役たち」について見ていこう。

■その活躍はもはやシリーズの「顔」!?『ヤッターマン』ドロンジョ

 1977年より放送されたアニメ『ヤッターマン』(フジテレビ系)は、タツノコプロによって製作された『タイムボカンシリーズ』の2作目にして、その根強い人気からリメイク版アニメ、実写映画、続編である『夜ノヤッターマン』が制作されるなど、長きにわたって愛され続ける名作である。

 劇中にて主人公・ヤッターマンらの前に立ちはだかる悪役こそ、二人の子分を従えた仮面の悪女・ドロンジョだ。仮面に金髪、黒のレオタードとインパクト大な姿で素性を隠しつつ、「ドロンボー一味」としてあの手この手でヤッターマンたちを苦しめる彼女だが、どこか詰めが甘いシーンもたびたび見受けられる。

 正しい心について説かれて感動したり、上司であるドクロベエから理不尽なお仕置きを受けては悪事を辞める発言をしてみたりと、悪役でありながら実に人間臭く、目的のために奮闘する姿がどこか健気にも見えてくるから不思議なものである。

 美貌を隠したどこか妖しい色気と、ボロボロになりながら体を張って奮闘する姿のギャップが、なんとも憎めない悪役キャラクターだ。

 ちなみに、ドロンジョは劇中で「スカポンターン!」という名言を残しているのだが、実は担当声優・小原乃梨子のアドリブによって生み出されたセリフだという。もともと台本にあった「バカ、ドジ、マヌケ」がきつく聞こえるからと「スカタン」「アンポンタン」を足して作ったらしいこのセリフ。どこか間の抜けたような響きの「スカポンタン」も、なんとなくドロンジョの憎めない役柄にハマっているように思えてくる。

■まぬけに見えても絆でつながっている三人『ポケットモンスター』ロケット団

 悪役といえば先の「ドロンボー一味」のようにチームで登場するパターンも多いのだが、アニメ『ポケットモンスター』に登場するロケット団も、主人公・サトシらの前に三人組でたびたび姿を現す悪役だ。

 ロケット団はムサシ、コジロウ、そして喋るばけねこポケモンのニャースで構成された三人組だが、サトシが連れているピカチュウを奪うべく、あの手この手で行く手を阻む。登場する際のお決まりの口上もさることながら、やられて吹っ飛ぶ際の「やな感じー!」の流れは、もはやファンからは一種の「お約束」として愛されている。

 劇中ではどこかギャグテイスト溢れる三人組なのだが、思わぬ活躍で視聴者の心を惹きつけるシーンも登場する。『ポケットモンスター アドバンスジェネレーション』では密猟者に捕まった大量のポケモンたちを己の身を挺して守り、ボロボロになりながらも逃がすといった姿を見せていたし、また、メンバーの一人・ムサシがロケット団を辞めて男性のもとに走ろうとした際、コジロウはあえて止めず“一人の女性として幸せをつかもうとしているのなら祝福してやるべきじゃないのか? それが仲間ってもんだ”と、名言を残したりもしている。

 悪の組織に所属していながら、それでも人としての優しさを捨てていないその純粋さが、多くのファンを惹きつける魅力だと言えるだろう。

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