1979年にTVアニメ『機動戦士ガンダム』が放送されて以来、40年以上たってもファンに愛され続けているガンダムシリーズ。次々に登場するカッコいいモビルスーツには大人から子供まで夢中になり、令和の今でもプラモデルの売り切れが続出するほどの人気ぶりだ。
ただ、ファンを魅了してやまないモビルスーツの中にも、「このデザインは悪ふざけで考えたのか?」といぶかしくなるような機体が存在する。“何か”と合体して誕生した何とも形容のしがたい“異形”のモビルスーツたち……一度見たら忘れられない風貌である。
今回はあえてそんなモビルスーツにスポットを当てて、紹介していこうと思う。
■ZガンダムのボディにザクⅡの頭部……通称「Zザク」
Zザクとは『機動戦士ガンダムZZ』の第12話「リィナが消えた」に登場する機体で、簡単に説明すると「ザクⅡの頭部をZガンダムのボディに載せたもの」である。
決して開発陣が悪ふざけで開発したものではなく、作中でハンマ・ハンマによって頭部が破壊されてしまったZガンダムを、イーノ・アッバーブが応急処置で修理した結果として生み出された“異形のモビルスーツ”だ。
ザクⅡの頭部は主人公ジュドー・アーシタたちが拾ってきたもので、応急処置のためにとにかく付けた感が強い機体となっており、メインカメラはザクⅡのものになってしまうので、全天周囲モニターは使用できなくなっている。ついでに言うと、ザクの頭がついていることにより、Zガンダムの代名詞とも言える変形機能も使えないと推測される。
敵か味方か紛らわしい見た目をしているため周囲からは誤射を心配されるが、生みの親で搭乗者でもあるイーノ・アッバーブは「体はZガンダムだから大丈夫」と自信満々。しかし、案の定、ブライト・ノア艦長の「人相で敵と思うな!」との通信を聞きそびれたジュドーに誤射されそうになっており、やはり味方をも混乱させる機体であることがわかる。
敵からも酷評されていて、グレミー・トトからは「いい加減なモビルスーツ」呼ばわりされていた。
PS4に移植されたアーケードゲーム『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス マキシブースト ON』にもZザクは登場するのだが、カミーユ・ビダンがZザクを撃破すると「Zはおもちゃじゃないんだ! ふざけるな!!」と怒る描写があるなど、いたるところでイジられ、愛されるモビルスーツである。