漫画やアニメに登場するヒロインは、可愛くて愛されるキャラクターが多い。『うる星やつら』のラムなど、男女問わず人気のあるヒロインも多く、作品においてなくてはならない存在でもあるだろう。
しかし一方で、ヒロインなのになぜか同性から敬遠されてしまうキャラもいる。今回はそんな彼女たちが、なぜ“同性ウケ”しないのか理由を考察していこう。
※以下には、コミック『BLEACH』、『タッチ』の一部内容が含まれています。ストーリーを解説するのが本記事の主目的ではありませんが、気になる方はご注意ください。
■ヒロインなのに足手まとい……?『BLEACH』井上織姫
同性ウケしないヒロインとして名前が挙がることが多いのが、『BLEACH』(集英社)の井上織姫だ。
彼女は胡桃色の美しいロングヘアーがよく似合う美少女で、スタイル抜群。やや天然ボケだが学校の勉強は成績が良く、さらに運動もできてしまうというから、文武両道の魅力的なヒロインともいえる。また、彼女は味覚音痴だったりお笑い好きで自分でもネタ作りをしているなど“ちょっと変わった女の子”なのもお茶目でチャーミングな部分だ。
外見も内面もヒロインとして申し分ない織姫。しかし、彼女はなぜか同性からの“ウケ”があまり良くないことでも知られている。
その理由としてよく挙げられるのが「足手まとい」という意見。死神化した主人公・黒崎一護を中心に強敵たちとのバトルがメインで描かれている本作において、織姫はほかのキャラからも「戦闘に向いていない」と評価されている。
「盾舜六花」という能力を自身の努力によって開花させた織姫だが、戦闘力はほとんどなく回復要員として戦闘に参加することが多い。しかも、その特殊な能力が敵に目をつけられる原因となってしまい、敵陣営に攫われて結果的に仲間の足を引っ張ってしまうような展開になったこともあり、これが彼女が酷評されてしまう要因となっているかもしれない。
しかし、そもそもヒロインというのは、元来“敵に攫われてヒーローに助けられる”というのが王道のパターン。それはかの有名な『スーパーマリオシリーズ』の「ピーチ姫」のように、すでに確立された誰もが知る展開だと言える。
しかし、現代では「自立したヒロイン」が愛される傾向にあることが多い。近年大ブームとなっている『呪術廻戦』(集英社)の釘崎野薔薇のように、サバサバとして戦闘でも強く、誰にも依存しないヒロインは同性からの人気も高いのだ。
こういった観点から、織姫のような「バトルにおいてあまり役に立たない」ヒロインは、同性ウケが難しいのかもしれない。