■念能力者としての天才ぶり

 カキン王子はそれぞれ念の概念すら知らない者や、自身の能力を既に理解している者など、念能力に対する認知度はそれぞれバラバラである。

 ツェリードニヒは念の知識がなかったが、念自体は半日で習得。「凝」のコツを数日で掴み、「絶」や「練」も難なく体得するなど、ゴンやキルアたちの修行と比べるととんでもない理解力とポテンシャル。念能力者の中でもトップレベルではないだろうか。

 また念系統を探る「水見式」では、葉が枯れ、水は一気に沸騰しガスを放ちながら腐るという、これまたとんでもない結果。もともとツェリードニヒがもつオーラ量が相当な量を有しているという何よりの証拠ではないだろうか。同じ特質系であるピトーでさえ、葉が枯れる程度だったことを考えると、ツェリードニヒの才能がいかにすさまじいかが想像できるだろう。

■チートすぎる念能力「刹那の10秒」

『HUNTER×HUNTER』最新刊である単行本37が発売されてからというもの、ツェリードニヒの複雑すぎる念能力に頭を悩ませている読者は多いはず。ツェリードニヒの「刹那の10秒」という念能力は、ざっくりと言えば「未来予知をし、さらに未来そのものを変えることができる」という能力だ。

 コミックスでは具体的にどのように時間が進むか図で解説されているが、この能力を初見で理解するのはかなり難しい。筆者も何度も読み返し内容を反芻することでようやく理解できたが、時間そのものを操作し、しかもその未来を自分だけが変えられるというとんでもない能力に恐怖を感じた。

 と同時に、このチートすぎる能力を実践で体感しながら瞬時に理解したツェリードニヒ。自身が部下テータに撃たれるという未来を知ってもなおこの能力自体を楽しんでいる彼の鬼畜ぶりに、背筋が凍ったのは言うまでもない。

 個人的に、緋の目奪還に燃えるクラピカとの対戦は避けられないと思っているが、そこに旅団やヒソカ、マフィアの抗争などがどう絡んでいくのか……。さまざまな軸を同時進行させながら、きっと冨樫氏はそんな我々読者の予想の斜め上の展開を用意していることだろう。

 リアルタイムでこの展開を見守ることができる喜びを感じつつ、まだ『HUNTER×HUNTER』を見ていない人は、ぜひ今からでもこの興奮をリアルタイムで味わってみてほしい。

  1. 1
  2. 2