王位継承戦の大本命!? 冨樫義博『HUNTER×HUNTER』禍々しいまでに“ヤバい”第四王子・ツェリードニヒの不吉さの画像
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 11月4日、実に4年ぶりの新刊となる37巻が発売された冨樫義博氏による漫画『HUNTER×HUNTER』。10月24日発売号の『週刊少年ジャンプ』からは3年11か月ぶりに連載が再開されており、コミックスを読み返しながらこれまで時間が止まっていた「暗黒大陸編」を整理している読者も多いのではないだろうか。

 現在、クラピカをはじめとする総勢数百名に及ぶ登場人物たちが「暗黒大陸」を目指す途中で、船の中ではカキン帝国の14名の王子による「王位継承戦」の真っ只中。誰が重要人物になるのか1ページ先の展開までまるで読めない状況だが、そんな中、37巻でひと際存在感を放っていたのが「第四王子・ツェリードニヒ=ホイコーロ」だ。

 ツェリードニヒの持つ能力が少しずつ明かされていく中、彼のあまりにもヤバすぎるポテンシャルに引き込まれている筆者のような人は多いと思う。今後どのように物語に絡んでいくのか、あまりにも強烈な印象を残しながら登場したツェリードニヒの、おぞましいまでのキャラを整理したい。

※以下には漫画『HUNTER×HUNTER』37巻までの一部内容が含まれています。ストーリーを解説するのが本記事の主目的ではありませんが、気になる方はご注意ください。

■ツェリードニヒのヤバすぎる人間性

 そもそもの舞台は、現在暗黒大陸を目指す大型客船ブラックホエール号内での複雑に絡み合う軸の一つ、「王位継承戦」だ。

 カキン帝国の14人の王子たちは、父であり国王であるナスビ=ホイコーロ主導のもと、次期国王の座をかけてそれぞれ最後の一人になるまで命を懸けて争うことになったが、そんな中で不気味な存在感を放っているのが第四王子・ツェリードニヒだ。

 ツェリードニヒは犬猿の仲である第一王子のベンジャミンを含む兄弟のことを「腐った糞ゴミ共」と言い放ち、自分以外が国王になるなど論外だと高らかに主張するなど、絵に描いたような悪役キャラだ。

 また人体収集家でもあり、クラピカが探している最後の緋の目を所持している。この点からも、今後の展開の大きなカギを握る重要な人物であることは間違いないだろう。

「嘘をつく女」を異常なまでに嫌い、兄弟で唯一同じ母親を持つ第一王子・ベンジャミンに対して激しく敵対心を向けているツェリードニヒ。彼の人間性の歪みには、複雑な血筋や母親との過去が関係しているのではないかと筆者は考えているのだが……。今後の描かれ方が、非常に気になるところである。

■ツェリードニヒの禍々しい守護霊獣たち

 カキン帝国の王子たちには、代々伝わる「壺中卵の儀」により生まれた「守護霊獣」がそれぞれ護衛している。

 この守護霊獣は、宿主の人となりに影響を受けた姿や能力を有していると言われているが、ツェリードニヒの守護霊獣は頭は女性、身体は馬という姿形。まさに彼の歪んだ性癖を具現化したような見た目と能力を持っていると言えるだろう。

 ツェリードニヒのこの守護霊獣は、相手が嘘をついていると判断することで動き出す。嘘を見抜かれるたびに「身体に傷を付ける(直接的な警告はなし)」→「その傷が拡大(言葉でも警告)」→「“人間でない何か”に変えられ、ツェリードニヒの手下として取り込む」という三段階のステップを踏み、最終的に手駒にされる。意識を保ったままツェリードニヒの手駒にされる屈辱は、死よりも絶望を感じざるを得ないだろう。

 そしてこの守護霊獣、実は宿主であるツェリードニヒは一切認知することができず、守護霊獣自らの意思によってのみ行動しているという点も、より不気味さを増しているポイントだろう。

 またツェリードニヒには無意識に作り出したという、分身でもあるもう一体の「念獣」が存在する。おどろおどろしい見た目のこの念獣はまだその能力が明かされてはいないが、胸に刻まれた悪魔の数字「666」を見るに、とんでもない能力を持っているのは間違いない。

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