『アイシールド21』『はじめの一歩』…スポーツ漫画で「小柄ながらも大活躍した強キャラ」3選の画像
週刊少年マガジン『はじめの一歩』第5巻(講談社)

 スポーツの世界において「背の高さ」は、選手のポテンシャルや戦い方のスタンスに大きくかかわる重要な要素の一つだ。大柄な選手が絶対的に有利……というほど、勝負の世界は甘くはない。とくにスポーツ漫画ではさまざまな技術を駆使し、背の低さを補って余りある実力を見せるキャラクターも多く登場する。

 今回は小柄でありながらも活躍した「強キャラ」たちについて、いくつか紹介していこう。

■変幻自在な動きはまさに“悪魔的”!!『アイシールド21』小早川瀬那

 アメリカンフットボールといえば、屈強な男たちによって繰り広げられる、「力強さ」を象徴するスポーツのように思えるかもしれない。そんなアメフトの世界で、小柄な体躯でありながらも持ち前の俊足で活躍した人物こそ、『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載された『アイシールド21』の主人公・小早川瀬那だ。

 瀬那の身長は155cmと非常に小柄で、気弱な性格もあいまって幼い頃から“パシリ”として扱われてきた。そんな彼だが、特筆すべきはその足の速さと校内トップレベルの瞬発力、俊敏性である。彼はアメフト部主将の蛭魔妖一にその才能を見いだされ、半ば強制的にではあるものの、アメフトチーム「泥門デビルバッツ」に入部することとなる。

 めきめきと頭角を現し始めた瀬那は、相手に「消えた」と錯覚させるほどの卓越したステップ技「デビルバットゴースト」を編み出したり、身長200cmもある強敵・峨王の放つ骨折レベルのタックルを、瞬発力でエネルギーをそらして軽減させるといった芸当を見せた。

 小柄でありながら「速さ」という独自の武器を磨き上げ、「泥門デビルバッツ」を屈指の強豪へと押し上げた、まさに“悪魔的”な実力を持つ強キャラといえるだろう。

■したたかに積み上げた日々が生む圧倒的破壊力!!『はじめの一歩』幕之内一歩

 肉体を物理的にぶつけ合う「格闘技」においては、やはり体格というものは非常に重要な要素だ。『週刊少年マガジン』(講談社)でいまなお連載されているボクシング漫画『はじめの一歩』では、小柄というハンデをものともせず強敵に立ち向かっていくキャラクターが登場する。

 主人公・幕之内一歩は温厚な性格からいじめにあっていたが、偶然にもプロボクサーである鷹村守に救われたことをきっかけにボクシングの世界へとのめり込んでいく。身長164cmと恵まれた体格とは言い難いが、実家の釣り船屋で鍛え上げられた筋力と足腰をベースに、ボクサーとして独自のファイトスタイルを確立していく。

 一気に相手の懐に潜り込み、至近距離で殴り合う「インファイター」に成長した一歩は、日々の鍛錬で鍛え上げた強靭なパンチ力を武器に、数々のボクサーを真っ向から打ち負かしていく。その威力はまさに驚異的の一言で、ボディーブロー一発で相手の肋骨を骨折させてしまうほど。

 また、一歩は技の弱点を別の技術で補うなど、パワーファイターでありながら頭脳派な一面も見せていた。日々の積み重ねを怠らないしたたかさと、それを爆発させる熱い闘志を宿した、実にまっすぐなキャラクターである。

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