小学館創業100周年を記念し、2022年10月13日より“完全新作版”として再びテレビアニメ化された高橋留美子氏の『うる星やつら』が話題となっている。
それに伴い声優キャストが一新されたが、1981年版アニメで諸星あたる役を演じていた古川登志夫があたるの父親役を演じ、ラム役を演じていた平野文がラムの母親役を演じたことで古参ファンを歓喜させたのが記憶に新しい。
本作の主人公・諸星あたるは、趣味は「ガールハント」というほどの女好き。そんな彼を「ダーリン」と呼び、婚約者として地球に住むことになるのが宇宙からやってきた鬼族の女の子・ラムだった。
ラムはとても可愛くチャーミングで刺激的だ。当然、そんな彼女を慕う男性も多いのだが、当の本人はあたるに“ベタ惚れ”状態。しかもあたるはラムだけではなく、作中、多くの女性から好意を寄せられていたりもする。
女好きでだらしがないように見えるのに、ファンのなかでも「モテる」と言われ、世代を超えて愛され続けるあたる。今回はそんな彼がなぜ女性にモテるのか、その魅力を考えてみた。
※以下には、コミック『うる星やつら』の一部内容が含まれています。ストーリーを解説するのが本記事の主目的ではありませんが、気になる方はご注意ください。
■稀代の女好きだが…どんな女性にも優しく紳士的
あたるは女性を見ればその後ろ姿を追いかけるような“女好き”で、息を吐くように口説き始めるほど。そのせいか彼の婚約者を名乗るラムは、あたるのだらしない女癖を電撃で幾度となく懲らしめてきた。
いきなり抱きつこうとするなど破天荒なところが目立つあたるだが、その一方で、彼は女性にとにかく優しく紳士的でもある。
彼の紳士的な一面がよく分かるのが、「最後のデート」というエピソードだ。このエピソードには「望」という幽霊の女の子が登場するのだが、彼女はあたるへ想いを寄せたまま病気でこの世を去ってしまっていた……。
未練があって成仏できない望。「あたるとデートがしたい」という彼女の願いを叶えるため、あたるは2人でデートに出かける。
クリスマスに亡くなった望は、あたるを想ってマフラーやセーターなど編み物を用意していた。真夏であるにもかかわらず彼女からのプレゼントを身につけ、汗をかきながら涼しい顔をしてデートを楽しむあたる。
彼女は好きな人との最後のデートで思い残すことがなくなり無事成仏していくのだが、巫女のサクラに「暑かったじゃろう。さ、もう脱いでもいいぞ」と声をかけられても、「もう少し着てる…」と、名残惜しそうにあたるは優しく微笑む。その姿は普段からは想像できないほど紳士的で、彼が女性にモテるのも頷けるエピソードとなっていた。