『ドラえもん』の完璧エリートな出木杉くんは「やっぱり“できすぎ”なシーン」3選 ゲームでも品行方正…真夜中の怪電話にも神対応…の画像
てんとう虫コミックス『ドラえもん』(小学館)第29巻

 1969年から小学館の学年誌にて連載が始まり、令和の今もなお多くの世代から愛され続けている国民的アニメ『ドラえもん』。

 野比のび太のクラスメイトといえば、ジャイアン、スネ夫、しずかなど、それぞれ個性豊かなキャラが多い。なかでも、学業優秀でスポーツ万能、顔もイケメンで性格も良い出木杉くんはいつもクラスの中心人物であり、しずかちゃんも少なからず好意を持っていることから、のび太も日頃からライバル心を抱く存在としてたびたび登場する主要キャラの一人だ。

 とにかく非の打ち所のないような人物・出木杉くん。どこかしら“粗”があるのでは?と思ったもののまったく見つからず、むしろ、“できすぎ”なシーンがいくつか存在していて感心してしまった。今回は、そんな出木杉くんの“できすぎ”なエピソードを紹介しよう。

■ゲームのなかでも品行方正! 

 コミックス38巻「冒険ゲームブック」は、出木杉の品行方正さが如実に現れている回だった。

 ドラえもんのひみつ道具「ゲームブック」は、自身が本の中に入ってさまざまな冒険をしながら自分が用意した秘宝を取り返すという未来のおもちゃのようなものだ。だが、下手すると本のなかで迷ってしまい、出てこられなくなる難解さもあるという。

 そこでのび太は出木杉、しずかを呼び、一緒にゲームをすることに。秘宝としてしずかに本の最終ページに入ってもらい、のび太と出木杉で救い出すという設定でゲームは始まった。

 本のなかではさまざまな試練が待ち受けており、大きな怪物が襲ってきたり、川を渡らなければならなかったりするのだが、そのたび出木杉は面倒なことも厭わず、果敢に取り組み、難なくこなしていく。

 一方のび太は、普段の怠け者な部分が出てしまい、なかなか思うように進めなくなっていった。業を煮やしたのび太はこっそり持ってきたドラえもんのスペアポケットでどこでもドアを出し、最終ページにワープする。しかし、インチキをしたため大きな石に潰され、ペシャンコに。

 最終的にはゲームに忠実に取り組み、最強戦士となった出木杉が見事しずかを助ける……という話だ。ズルをしたのび太がいけないのは当然なのだが、ゲームをやるうえでも優秀な出木杉とのあまりの対比にちょっと気の毒になってしまった。

■ライバルに嫌がらせを受けても神対応

 いつもクラスで一番の成績の出木杉だが、コミックス30巻「真夜中の電話魔」の回ではテストのたびに成績が落ち、先生に心配されて落ち込んでいた。なんでも、毎晩「出木杉、おまえなんか死んじまえ」という怪電話が朝まで何度もかかってきて眠ることができず、勉強に集中できなくなっていたのだ。

 その話をしずかから聞き、電話口を通じてなんでも送ったり取り寄せたりできるひみつ道具「物体電送アダプター」を使って犯人を捕まえようと、夜中の出木杉宅へ張り込むドラえもんとのび太。

 すると犯人からの電話が。受話器の向こうにいる犯人を引っ張って捕まえると、なんとクラスで2番目に賢いクラスメイトのガリベンくんだった。彼は「出木杉くんがいるかぎり、ぼくはどうしても一番になれない。くやしくて……」と、実に身勝手な理由で怪電話を繰り返していたことを自白する。「どうせみんなにしゃべるんだろ」「ぼくはもうおしまいだ」と泣くガリベンくんに対し、出木杉はもうしないと約束してくれれば誰にも喋らないと冷静に対応をし、その場をおさめたのだった。

 嫌がらせをされても、クラスメイトを責め立てずに見過ごす心の広さ。大人すぎる。この神対応には、誰だって「さすが出木杉くん」だと思わざるを得ないだろう。

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