■出木杉のヒーローぶりがいかんなく発揮された回
最後に、出木杉のヒーローぶりがいかんなく発揮された、コミックス２２巻「出木杉グッスリ作戦」の回を紹介しよう。
テストはいつも１００点、宿題もきちんとやってくる立派な出木杉を見習うようにと、先生から宿題をたくさん出されてしまうクラスメイトたち。しずかを含めた女子に「ほんとに頭がいいのね」と褒められても「いやあ、たいしたことないよ」と謙遜して言うキザな（？）出木杉の態度に、のび太とジャイアンとスネ夫の３人は「出木杉はぼくらの敵だ!!」と珍しく一致団結。彼が宿題をやれないように、野球でヘトヘトにさせる作戦を考え出す。
野球に誘われた出木杉は「さあ、しまっていこうぜ」なんて言いながらノリノリで参加。守備では超ファインプレー、バットを振れば大ホームランと言うことなし。「エラーしたらげんこつだぞ」なんて脅していたジャイアンも「おまえのおかげで勝てた、ごくろう」と、ねぎらう始末。
もう一試合しようと言う出木杉だったが、大量の宿題を気にして帰ろうとするみんな。「へいきだよ。あれぐらい十分もあればできるよ」と答える出木杉には、その場の誰もが驚愕し、目を丸くしていた。ちなみに宿題の量は、スネ夫は３時間、ジャイアンは４時間、のび太は朝までかかるほどの量だったらしい。
そうして、あえなく作戦は失敗に終わり解散して帰っていくのであった。数々の妬みすら正攻法ではねのけてしまう出木杉はやっぱりすごい。
小学生のころ、頭が良くスポーツ万能で性格も良く、女子からモテまくる……まさに出木杉のようなクラスメイトがいた経験は誰にもあるのではないだろうか？
のび太やジャイアン・スネ夫のようなキャラとは正反対だが、出木杉のような優等生キャラが存在することで、さらにドラえもんという作品の良さが引き立てられている気さえする。
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