■見た目からして痛々しい「もろはのつるぎ」

 ナンバリング作品では『ドラクエ3・4・5・7・8』で登場している呪われた武器「もろはのつるぎ」。名前の通り、「諸刃」「両刃」であることから、相手に与えたダメージの割合に応じて、自分の体も傷つけてしまうという呪いの効果がある。

 実は、もろはのつるぎはデザインが3回変更されている。プレイしたナンバリング作品によって、どのデザインが印象に残っているか異なるだろう。

 まず、初期型は、ファミコン版『ドラクエ3・4』、スーファミ版『ドラクエ5』などの攻略本で公開されていたデザインだ。刀身の軸から枝葉のように無数の刃が生えているような見た目をしており、振りかぶったときに自らを傷つけてしまいそうな納得できるデザインとなっている。

 中期型は、リメイク版『ドラクエ3・4・5』と『ドラクエ7』で採用されていたデザインだ。一見すると両刃のイメージはなく、代わりに曲線が美しい見た目をしていることから優雅な印象さえ受け取れる。しかしグリップ部分のさらに下側からも短いながらも鋭い刃が突き出ており、装備者が自らの腹部を怪我をしてしまいそうな形状だ。

 最後に、後期型は『ドラクエ8』で採用されたデザインだ。中期型に比べると無骨な印象を受ける。刀身が黒を基調としており、金属の軸から両側に刀身が生えているのだが、まるで斧や鈍器のような形状をしているのだ。

 ちなみに『ドラクエ8』では、なんと呪いを解くことができるようになった。錬金によって「もろはのつるぎ・改」に浄化することができる。自身が受けるはずだったダメージを、敵に追加ダメージとして与えることができる。

■所持者さえも滅亡させる「みなごろしのけん」

 ナンバリング作品『ドラクエ4~7』に登場している呪われた武器「みなごろしのけん」。敵味方関係なく滅亡をもたらすと言われており、使用者が瀕死になっても戦い続ける様子から、この名称がつけられたという。

 見た目は、青を基調としたメタリックな装飾がされており、その形状は天空の剣と似たデザインとなっている。しかし、鍔の部分には骸骨のデザインが施されており、やはり禍々しい。性能は、高い攻撃力で敵全体を攻撃することが可能になる反面、守備力が0になるという強力な呪いがついている。ただし、防具の耐性が無効化されることはない。

 そんな危険な代物だけに、基本的に一点ものだったりレアアイテムとしてドロップすることができるなど希少性の高い武器となっている。しかし、唯一『ドラクエ6』においては、「欲望の町」で29000Gという非常に高額な価格ではあるが普通に売っている。人々の欲望が渦巻く無法地帯「欲望の町」ならではの商売と言えるのかもしれないが、実に恐ろしい設定ではないだろうか。

 以上『ドラクエ』ナンバリング作品における呪われた武器について紹介した。今回、紹介した「もろはのつるぎ」のように、設定が作品によって大きく異なる武器も存在している。ちなみに、筆者が思い浮かべた「もろはのつるぎ」は中期型デザインだった。きっと最初にプレイした作品のデザインが印象に残っているのだろう。こうした違いを『ドラクエ』仲間と談義してみるのも面白いのではないだろうか。

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