■これを出せばイジメられなくなるのに…「平和アンテナ」

 コミックス25巻に出てくる「平和アンテナ」は、ケンカなどをしている人に向けると“平和電波”が流れ、どんな争いでもピタリと止めることができる素晴らしいひみつ道具である。

 作中、のび太は「平和アンテナ」を使って、争い合う動物や将棋勝負で喧嘩をしている人たちを仲直りさせている。しまいには、テレビのなかのアニメのヒーローと敵役までも仲良くさせて物語の内容を変えてしまい、楽しみにしていたアニメが“二人が仲良くなってしまったので…”という理由で、急に最終回を迎えてしまった……というオチがついていた。

 それにしても、テレビを通しても利用できる「平和アンテナ」の威力はすごい。この道具をのび太がいつも肌身離さず持っていれば、ジャイアンにケンカをふっかけられることもなく、スネ夫とも毎日穏やかに過ごせるのに。というより、世界平和も一瞬で叶えられるかもしれない。なんとももどかしい気持ちになってしまうのは、筆者だけだろうか……。

■これさえあれば何もいらないのに…「スペアポケット」

 最後に紹介するのは、ドラえもんの「四次元ポケット」のスペアの「スペアポケット」だ。

 上記でも紹介したエピソード「四次元ポケットにスペアがあったのだ」は、キレイ好きなドラえもんが自分の四次元ポケットを洗って干しているシーンから始まる。「いまなにかだしてほしくなったらどうするの」と怒るのび太に、初めてスペアポケットの存在を明かしたドラえもん。

 そして、のび太はこれを黙って利用し、「どこでもドア」や「とりよせバッグ」、空飛ぶ宇宙船のようなものを出していく。

 もしもこの「スペアポケット」があれば、何が起こってもひみつ道具で解決できてしまうだろう。もはや無敵で最強なアイテムといえる。こうなるとドラえもんがいなくてものび太は生きていけるようになり、そもそも『ドラえもん』という作品自体が終わってしまうことになる。「なんで使わないの?」と思ってしまう反面、ファンにとってはこのうえなく迷惑な道具かもしれない。

 

 数多くのドラえもんのひみつ道具。紹介したような使い方をすれば、物事をすべて数個の道具で解決できるようになるかもしれない。しかし毎回そんなことをしていたら、当然のび太自身の成長にはつながらないだろう。

 もしかしたらドラえもんはのび太への愛情ゆえ、すべてを見越してひみつ道具を出し惜しみしている可能性もあるのかも?と思った次第だ。

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