スモールライト、スペアポケット…『ドラえもん』ピンチなのに「なぜ例のひみつ道具を出さないの?」と思ったシーン4選の画像
てんとう虫コミックス『ドラえもん』(小学館)第7巻

 2023年3月3日、シリーズ42作目の新作映画『映画ドラえもん のび太と空の理想郷 ( ユートピア )』の公開を控えている国民的アニメ『ドラえもん』。

『ドラえもん』といえば、「四次元ポケット」から取り出される魅力的なひみつ道具が見どころのひとつだが、のび太を助けたり、生活を豊かにする便利な道具もあれば「なんのために?」と、存在の意図が不明なものまでと、実にさまざまだ。

 そこで今回は、ピンチのシーンで「なんであのひみつ道具を出さないの……?」と、つい思ってしまったシーンを紹介したい。

■忘れ物とは無縁の生活になるのに…「とりよせバッグ」

 ドラえもんのひみつ道具「とりよせバッグ」は、どんなに遠くにある物でも取り寄せられるバッグだ。取り寄せたい物を声に出しながらバッグに手を入れると、バッグのなかと物がある空間がつながり、掴むことができる仕様になっている。ただし、手探りで探す必要があるので、ちょっとスリルを伴う動画でもある。

 コミックス11巻「とりよせバッグ」の回で初登場したこの道具。最初は学校に忘れたノートを取り寄せるなど便利な使い方をしていたのび太だが、そのあといつもの悪いクセで友達に“手品”と称して見せびらかし、スネ夫の恥ずかしい日記やジャイアンのおねしょの布団を取り寄せてイタズラするシーンが描かれている。

 最後は、のび太を取り寄せたママに捕まるオチで終わるが、このバッグは人間までも取り寄せることができるという万能ぶりが明らかとなった。

 そもそも、忘れ物が多いのび太だが、これをいつも持ち歩けば忘れ物とは無縁の生活になるであろう。なぜそうしないのか不思議だ……。

 しかし、明日のテストを取り寄せるなど不正に使ったり、なんなら窃盗もできてしまうため、使い方次第では簡単に犯罪者になってしまう危険をはらんだ道具でもある。

 実際、25巻「四次元ポケットにスペアがあったのだ」の回では、のび太が「とりよせバッグ」でしずかちゃんのおさげをつかみ、自分の部屋に“取り寄せて”いるシーンも。自宅から一歩も出歩くことなく人を誘拐できてしまうこのバッグは、ある意味、とても恐ろしいひみつ道具だろう。

■巨大で危険なものにも対応できるのに…「スモールライト」

 ドラえもんのひみつ道具の代表といえば、「スモールライト」を思い出す人が多いだろう。その名のとおり物体を小さくすることができるライトで、もとに戻す機能も兼ね備えている。

 形や着ている服までもそのまま小さくなって重量も減り、持ち運びが簡単になるこの道具。大きすぎて運べない動物や家具などに使用されるシーンが多く、まだ子どもであるのび太やドラえもんでも軽々と運べるのはとても便利だ。ちなみに制限時間はおよそ3日間で、そのあとはもとの大きさに戻るらしい。

 この「スモールライト」は、コミックス5巻「ぞうとおじさん」の回で初登場している。戦争によって殺されるはずだった象のハナ夫の運命を変えるため、タイムマシンで昔へ戻ったのび太とドラえもん。ハナ夫をスモールライトで小さくして「ゆうびんロケット」でインドのジャングルへ飛ばし、無事生かすことに成功している。

 こんなにも便利な「スモールライト」だが、どうもうまく活用できていないシーンが多くあるように思える。

 大きなピンチの時でいうと、映画『ドラえもん のび太のパラレル西遊記』で先生に追いかけられるシーンや、映画『ドラえもん のび太の魔界大冒険』で現実の世界に来てしまったメジューサに石像に変えられてしまうシーンなど。ここぞというときにスモールライトで相手を小さくすれば、難を逃れることが簡単にできたであろう……。

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