■もはやスーパーヒーロー…!? 至近距離で銃弾を避ける蘭

 蘭の凄技は破壊力だけではなかった。2009年公開の劇場版映画『名探偵コナン 漆黒の追跡者』では、至近距離で発砲された銃弾を目視で避けるという荒技をこなしている。

 黒の組織のアイリッシュに銃口を向けられる蘭。その距離は、わずか2メートルもないように見える。アイリッシュが構えていたのは拳銃だったのだが、実はこのとき、蘭は“あること”を思い出していた。

 かつて新一は、蘭に銃弾の速さについて話していた。「なぁ、蘭知ってるか。ライフル弾の速さはだいたい秒速1000メートルぐらい。それに比べて、拳銃は約3分の1の秒速350メートルぐらいしかないんだぜ」と。

 このエピソードを回想した蘭は「ライフルは無理でも拳銃なら……」と、挑む気満々。アイリッシュが引き金を引き銃弾が発砲されると、同時に蘭は頭を素早く逸らし、残像のように残った髪の毛を銃弾が貫通するのだ。

 暗殺のプロのアイリッシュは、銃弾を避けられたことにも怯まず、間髪入れずに蘭と戦い始めるのだが、普通の人間であれば、至近距離の銃弾をかわされれば戦意喪失してしまうだろう。

 動体視力においても超人的な蘭。至近距離の銃弾を避けられるほどだとすれば、それはもはや映画に登場するスーパーヒーローの域ではないだろうか。スリリングなこのシーンは、蘭を語るうえでは外せない名シーンだろう。

 

 人間離れした超人技で、たびたびファンを驚かせる蘭。ヒーローの助けを待つだけのヒロインとは違い、自力で戦ってしまうカッコいい蘭は『名探偵コナン』において欠かせない存在だろう。そんな蘭の新たな活躍ぶりを、今後も楽しみにしたい。

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