連載開始から25年を迎えた、尾田栄一郎氏の人気マンガ『ONE PIECE(ワンピース)』。個性豊かなキャラたちの生き生きとした熱いバトルも魅力の本作だが、なかには目を背けたくなるようなショッキングなシーンもたびたび描かれている。今回は、思わずゾワっとしてしまった記憶に残るショックなシーンを紹介していく。
※以下には、コミック『ONE PIECE』の一部内容が含まれています。ストーリーを解説するのが本記事の主目的ではありませんが、気になる方はご注意ください。
■クロコダイルから心臓をひと突き…!? 両者黒塗りのシーン
まずは、第178話からアラバスタでルフィが強敵サー・クロコダイルと決闘したときの忘れられない衝撃シーンをお届けしたい。
ビビと麦わらの一味は決戦の地「アルバーナ」に向け、“ヒッコシクラブ”と呼ばれる巨大なカニに乗り、砂漠の長い道のりを越えようとしていた。そんなとき、砂漠の砂に紛れてやってきたクロコダイルがビビをさらおうとする。
とっさにビビを守って身代わりとなり仲間を先に向かわせたルフィは、そのままクロコダイルとの初の決闘へともつれこんだ。
砂時計をセットして「“3分”やろう」「それ以上 てめェの相手なんぞしてられねェ」と吐いたクロコダイルは、“スナスナの実”の能力でルフィを翻弄。タイムオーバーになると、ルフィたちの恩人が住む南の街「ユバ」に向けて、巨大な「“砂嵐”」を起こそうとする。
「止まれ コノヤロォ!!!」「止まれェ!!!!」と、クロコダイルをどうにか止めようと胸ぐらをつかむように飛びかかったその瞬間、クロコダイルの左腕の鋭利なフックによって胸を貫かれてしまうルフィ。
このコマは両者ともに黒塗りで「ドン!!」という大きな効果音とともに血がポタポタと流れ出る鮮明な様子が描かれており、シンプルながらも読者の不安を煽った。その後、まだ敵側にいるロビンとビビの護衛隊のペルによって命を救われ、無事ルフィは生き延びてクロコダイルと再決闘をすることになるのだが……。
ルフィが海賊になってから、初めて敗北するこのシーン。それだけ衝撃的で「主人公だけど、まさか死ぬんじゃ……!?」と心配してしまったのは、筆者だけではないだろう。
■一瞬で氷漬けに…ロビンが凍らせられたシーン
次に紹介するのは、空島から降り立ち「デービーバックファイト」に勝利した麦わらの一味に悲劇が訪れる320話。
海軍大将・青キジが、突如麦わらの一味の目の前に現れた。“ダラけきった正義”を掲げる掴みどころのない青キジは当初、「お前らをとっ捕まえる気はねェ」「ニコ・ロビンの消息を確認しに来ただけだ」と言っていたのだが、曲者揃いの麦わらの一味の顔ぶれやその様子を見て、「ーーやっぱお前ら…今 死んどくか」と、唐突に告げる。
そして、政府がニコ・ロビンを危険視していることや、その原因となった彼女の知られざる過去について話し始める青キジ。「私を捕まえたいのならそうすればいい!!!」と攻撃を仕掛けるロビン。当然、ルフィ、ゾロ、サンジも、ロビンを守るために戦い始める。
しかし、ロギア系でも上位種である“ヒエヒエの実”の能力者で、自身を氷に変化させたり、何でも凍らせる特性を持つ青キジには歯が立たず、3人とも倒れてしまう。
それを見下ろしながら、青キジがロビンへ覆いかぶさった次の瞬間、彼女は一瞬にして氷漬けになってしまうのだ。「私は…」と、何か言いかけた無念の表情のままで……。
全身氷漬けとなったロビンを砕こうとした青キジからなんとか救出し、船内に連れて逃げたチョッパーとウソップ。温かい湯船とシャワーで氷を溶かしていくのだが、このシーンもどうなるのかとハラハラして不安を掻き立てられた。
デービーバックファイトでテンポの良いコミカルな描写が続いたあとにやってきたこの驚愕のシーンに、ショックを受けた読者は少なくないだろう。
その後、青キジから一味を守るためにサシで戦ったルフィも凍らせられてしまうのだが、チョッパーの懸命な処置によって2人も生還する。「二人共…心臓が………動いた!!!」と、涙ながらに伝えるチョッパーを見て、心底ほっとした次第である。