■『デジモンアドベンチャー』のクライマックスを飾ったアカペラバージョンの「Butter- Fly」

 1999年から2000年まで放送された『デジモンアドベンチャー』。長く続くデジモンシリーズの最初の作品であり、今もなお「初代」「無印」などと呼ばれ、愛されている。本作は、主人公・八神太一を含めた子どもたちがデジモンとともに戦い、成長をしていくストーリー。

 感動的な”神回”や名シーンが多かったデジモンだが、曲もまたカッコ良いのだ。とくに、和田光司が熱く歌い上げるオープニング曲の「Butter-Fly」は、当時の子どもたちのテーマソングのような曲だったと思う。

 そして、この曲は初代デジモンの最終話「新たな世界」でも、挿入歌として起用された。

 ついにデジモンワールドから立ち去る子どもたち。列車に乗り、パートナーであったデジモンたちへ手を振る八神たちとは対照的に、相棒・パルモンと最後の別れができず一人だけ泣いている少女・ミミ。

 いざ列車が動き出したとき、パルモンが現れて列車を追いかける。パルモンに気づき、窓から身を乗り出して手を振るミミ。彼女のかぶっていた帽子が風に吹かれて飛んだ瞬間、アカペラバージョンの「Butter- Fly」が流れるというハッとするような感動的な演出となっていた。

 子どもたちの長い冒険がついにこれで終わったのだと感じる寂しさと達成感は、あのエンディングでしか味わうことができないだろう。

 

 それまでのストーリーを振り返ったり、ここぞというときのシーンで流れる特殊EDは、アニメの世界観を濃縮したような存在だと思う。たびたび私たちを喜ばせたり、驚かせたりしてくれるエンディングからはこれからも目が離せない。みなさんにとって、忘れられないエンディングはどれだろうか。

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