少年時代、漫画のヒロインたちに本気で恋したことはないだろうか。ときに甘え、挑発もしてくる“お姉さん系キャラ”は、強烈なインパクトを残してくれたものだ。
筆者の少年時代に人気絶頂だったのは『週刊少年サンデー』(小学館)に掲載されていた『うる星やつら』のラムちゃんと、『タッチ』の浅倉南だった。令和の時代でも知名度は抜群の二人。しかし、実はまだまだその当時の男子たちを虜にしたお姉さんキャラは存在する。
そこで、筆者が少年時代に恋した、懐かしのお姉さん系キャラたちを紹介したい。
■世界最凶の魔導士すら逆らえない癒しのお姉さん…!『BASTARD!! -暗黒の破壊神-』ティア・ノート・ヨーコ
『週刊少年ジャンプ』(集英社)で1988年に連載が始まった萩原一至氏の『BASTARD!! -暗黒の破壊神-』。物語のヒロインは「ティア・ノート・ヨーコ」だ。
この作品の主人公はイケメンで伝説の魔導士のダーク・シュナイダーなのだが、人前で弱者をいたぶり、女性には平気でセクハラ、仲間(部下!?)にもパワハラをするなど、少年誌なのにどうしようもないキャラだったりする。
そんな傍若無人の主人公を唯一抑えられるのが、このヨーコなのである。14歳という年齢ながら正義感に溢れ、人道を踏み外すような行動や言動は一切許さない。
自分のことを「ボク」と言ういわゆる“ボクっ娘”で、美少女ながら男勝りな点も当時は斬新で魅力的だった。甘え上手なルーシェとの絆や、死んだはずのダーク・シュナイダーを往復ビンタで叩き起こすエピソードが、とくにお気に入りだったのを覚えている。
■スタイル抜群で生徒の信頼厚いバスケ部の美女顧問!『DEAR BOYS』氷室恭子
『月刊少年マガジン』(講談社)の八神ひろき氏による『DEAR BOYS』。本作は高校バスケットボール漫画を題材としているが、筆者的には同時期に大ヒットした『SLAM DUNK』と同じくらい……いや、それ以上に感動と興奮を覚えたものだ。
瑞穂高校で英語を担当する氷室恭子は男女のバスケ部顧問を兼務しており、多忙を極める教師だ。全国区の女子部を指導するだけでなく、暴力事件で廃部寸前の男子バスケも見捨てずに顧問を兼ねるなど男女部員から慕われており、まさに“教師の鑑”のような存在。そんな彼女に、筆者も密かに恋をした。
美少女が多く登場する八神作品なので、当然ながらバスケ部員たちも敵味方問わず容姿端麗な女子が多いのだが、なかでも氷室先生は飛び抜けて美人すぎるのだ!
スポーツ漫画なのに汗臭い描写はほとんどなく、少年たちの葛藤やトラウマ、恋愛模様までも描かれた至極の名作だが、なぜか氷室先生には素敵な恋愛話がない。おそらく主役は高校生だからということだろうが、そこは本牧東の飯嶋監督に期待しよう。(いや、ムリか……)