■イジメられっ子から最悪の呪詛師!『呪術廻戦』吉野順平
最後は芥見下々氏による『呪術廻戦』に登場する吉野順平だ。吉野は、所属する映研の部室を不良の溜まり場にされたことに反抗して、イジメられることになる。それによって不登校となり、誰とも会わなくなってしまった。
そんなときにひとり訪れた映画館で、真人が自分をイジメていた同級生を一瞬で殺してしまう姿を見て興味を示す。「僕にも同じことができますか?」そう話して真人についていくと、吉野は真人から呪術の手ほどきを受け、呪詛師としての力を開花させることになる。
その後、真人たちは吉野の母親を呪霊に殺させるように仕向けると、母親を殺した犯人は同じ高校にいると匂わせた。それを聞いた吉野は逆上して学校へと乗り込むと、自らの術式「澱月」の力を初めて人に使う。体育館に集合していた大勢の生徒を昏倒させ、イジメの主犯格である生徒をじわじわと痛めつけたのだ。
そこへ虎杖が駆けつけ吉野の凶行を止めに入ったことで、最悪の事態は免れることになったが、吉野は真人の術式「無為転変」によって肉体を改造されそのまま死んでしまった。大人しくて虫も殺せなさそうな吉野が、同級生に自らの術式を容赦なく振るう姿は、常軌を逸してかなり恐ろしい。
漫画に出てくる冴えない陰キャ設定の人物は、最初から才能や能力がない訳ではなく、それまでは能力を活かせなかったというパターンが多い。環境が違えば凶悪化することもなく、主人公と肩を並べられるほどの活躍をしていたのかもしれない。