■もはや飛び道具では殺せない…『ＴＯＵＧＨ』宮沢尊鷹
これまで紹介してきたキャラクターはいずれも卓越した身体能力が超人的だったが、なかには身に着けた「技術」が凄すぎて、目を疑ってしまった人物もいる。
『週刊プレイボーイ』（集英社）で連載中の格闘バトル漫画『ＴＯＵＧＨ外伝 龍を継ぐ男』でも、そういった超人的技術を繰り出す達人キャラが登場する。
作中、主人公・宮沢熹一の叔父にあたる宮沢尊鷹は敵集団から心臓を撃たれてしまうのだが、すぐに立ち上がって返り討ちにしてしまう。なんと尊鷹は奥義とされる回避技“弾丸すべり”を使い、体内で弾丸の軌道を変えてしまったのである。加えて、銃撃された際は土竜刃五郎という男に化けていたのだが、自身の骨格をも操作して変装するという、もはや「特殊能力」かなにかではないかと思わせる、人間離れした芸当も見せている。
もともと尊鷹は前編となっている『ＴＯＵＧＨ』から連続で登場しているキャラクターなのだが、前編でもこの“弾丸すべり”を利用して目隠しをしたまま飛んでくる矢を反らし、無傷で生還して見せた。迫りくる飛び道具を自在にコントロールする姿はかっこいい一方で、本当に技術でできることなのか……？と疑いたくもなってしまう、超人技である。
漫画作品では主人公たちが強くなればなるほど、さらに強力な力を身に着けた「超人」というべきキャラクターが登場する。ときには主人公を導く師として、またときにはあまりにも強大な壁として立ちはだかる強敵たち。
現実的に考えてしまうと「本当に？」と疑ってしまいがちだが、そういった「超人」の姿を見ることができるのも、漫画作品だからこそできる一つのエンターテイメントの形なのかもしれない。
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