1979年より放送が開始された『機動戦士ガンダム』はテレビアニメのみならず、雑誌企画や外伝ストーリー、ゲームなどで、その舞台である一年戦争の世界が日々拡張されている。同作の魅力はさまざまあるが、やはりなんといっても個性あふれるモビルスーツは欠かすことができない。RX-78-2をはじめ、サザビーにキュベレイなどなど、うっとりとするほど美しい佇まいの機体が数多く登場したが、その一方で奇抜でとがった形をしたものも多く、そうしたモビルスーツは視聴者に強烈なインパクトを与えてくれる。
ファーストガンダムのファンであればザクレロやゴッグなどのデザインがすぐに思い浮かぶと思うが、拡張される世界観の中では、さらに奇抜となった“変わり種”といえるような機体もあった。
■奇襲攻撃用モビルダイバー「ゼーゴック」
ゼーゴックはOVA作品『機動戦士ガンダム MS IGLOO 黙示録0079』に登場したモビルスーツだ。ズゴックを流用して作られた奇襲攻撃用モビルスーツで、衛星軌道上から目的の奇襲地点へと降下しながら攻撃を行う様子から、モビルダイバーとも呼ばれている。
このゼーゴック、大きなコンテナにズゴックの上半身を乗せただけという奇抜な見た目をしている。コンテナ部には武装を装備するのだが、ミッションによって適切な装備へと切り替えられて運用される。
実際に使われた武装は、対艦用の大型ミサイル4発や、28連装×4基の大量のミサイルランチャー「アールアイン」といった、大火力のもの。その中でも印象深かったのは、やはり『機動戦士ガンダム MS IGLOO 黙示録0079』中のラストダイブで使われた大出力の拡散ビーム砲「クーベルメ」だろう。
ビグ・ザム用に試作されただけあって、威力は凄まじく、1回のダイブで艦船を5隻撃墜している。ゲーム作品に登場する際にも、このクーベルメが搭載された仕様のことが多い。