■水泳部最後のゴリラ「ジュリック」

 雑誌企画のメカデザイン企画「MSV」シリーズからは、さまざまなモビルスーツバリエーションが生まれており、『MSV-R』で登場したジオン公国軍製の水陸両用モビルスーツの一年戦争最終機「ジュリック」もなかなかに変わった機体といえるだろう。

 ジオン公国軍製の水陸両用モビルスーツといえば、両指に巨大なロケットランチャーが装備されている「ジュアッグ」や、巨大な目とヒートロッドが特徴的な「アッグガイ」など、変わり種の宝庫だ。

 そんな中で作られた最終機が、このジュリックという設定だ。見た目はゴッグにズゴックの腕をつけたようなデザインで、全体的にかなり筋肉質でゴリラのような重めのシルエットとなっている。

 ズゴッグのような腕部の武装はメガビームカノン2門とアイアンネイルだが、腹部にはゾックのような8門のメガ粒子砲が見受けられる。また、頭頂部にも発射口があり、これはゴッグのフリージーヤードと同様のものとなっている。ゴッグやゾックと同じく水中航行モードになることもできる。見た目の奇抜さはジュアッグやアッグガイに負けるものの、スタンダードなジオン公国軍製の水陸両用モビルスーツのいいとこ取り合体版といった感じだ。なのにゴリラっぽいという、なかなかに変わり種なモビルスーツ。いつかアニメで動くところを見てみたい機体のひとつだ。

■下半身を高出力化した「ドム・バインニヒツ」

 ドム・バインニヒツはゲーム作品『SDガンダム GGENERATION ギャザービート』他、多数のジージェネシリーズに登場しているモビルスーツだ。容姿は足の無いドムといった風貌となっている。

 ベース機は後期型ドムの「ドム・フュンフ」。ドムといえば、ホバー移動も可能とするぶっとい脚部が特徴的な機体だが、ドム・バインニヒツはこれを捨てて大推力のスラスターへと換装している。これにより宇宙空間で凄まじい機動力を得ているのだ。

 ドムはもともと体格が良い見た目をしているが、スラスターは、そのドムがすっぽりと入ってしまうくらい大型となっている。なので、まるでジオングのような、脚の無い巨大なモビルスーツに見える。推力もモビルアーマー並みと、ほぼモビルアーマーとなってしまっている。

 変わり種のジオン公国軍製モビルスーツを厳選して3機ご紹介した。他にもザク頭の巨大戦車ライノサラスや、ビグロに巨大コンテナが付いたビグ・ラング。有名どころではザク頭の巨大浮遊メガ粒子砲アプサラスなど、外伝作品を中心に変わり種モビルスーツは多い。立ち姿がすっきりした美しい機体ではなく、こうした奇抜でとがったデザインのモビルスーツに惹かれてしまう筆者のようなファンは少なくないのではないだろうか。

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