■伝説の不良漫画『クローズ』

 最後に紹介するのは、高橋ヒロシ氏による『クローズ』だ。圧倒的な人気を誇る不良漫画で、累計発行部数は4600万部超え。このほかにも続編やスピンオフ作品が多数存在する。

 この作品も登場人物に女性キャラは存在せず、写真で登場する程度。それに作中の高校のほとんどが男子校である。高校生の主人公なら恋愛描写の1つもありそうなものだが、硬派な『クローズ』にそんなものはない。

 最強を目指す不良少年たちがケンカを通じて友情を築いていく物語で、それも純粋に素手による力比べ。特殊な能力もなければ奇策で追い詰めるような展開も存在しない。正々堂々とぶつかって殴り合いをすることで、納得がいくまで力のすべてを出し切るのが魅力。それゆえに敗者になった側も悔いを残すことなく、勝者を素直に認めるのが心地良い。

 そんな男同士の純粋な力比べが中心になる作品なので、たとえ女性キャラがいなくても完全に成立している作品と言えるだろう。

 今回紹介した3作品は、男だらけの漫画の中でもさまざまなメディア展開が行われた大人気作品ばかり。女性キャラが登場しないだけでなく、恋愛描写もいっさいないあたりに清々しさを感じる。男同士のアツい戦いや展開に集中できるからこそ、こういった作品に惹かれるのかもしれない。

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