『ましろのおと』『ちはやふる』『進撃の巨人』でも! 方言キャラの魅力...海外版コミックスではどう表現される?の画像
講談社コミックス月刊マガジン『ましろのおと』(講談社)

 漫画やアニメにときおり登場する「方言キャラ」たち。特徴的な語尾や、普段聞きなれない言葉遣いの彼らにはみな親しみやすさを感じる特別な魅力があるように感じられる。2次元の作品で目立つのはやはり『名探偵コナン』の服部平次や『ヒプノシスマイク』の白膠木簓など関西弁のキャラクターだが、それ以外の地方の言葉を扱うキャラクターも個性と魅力にあふれた人が多い。今回はそんな「方言キャラ」の魅力を紹介したい。

 まずは羅川真里茂氏による『ましろのおと』の主人公・澤村雪。彼は16歳の津軽三味線奏者で、自身の師匠であり育ての親だった祖父が亡くなったことで、自分の音を探すために単身上京することとなる。青森県生まれで津軽三味線の音とともに育ってきた彼は作中、津軽弁で話している。

 津軽地方以外の人には聞きなじみのない「みったぐねぇ(みっともない)」「ケタ悪い(気持ちが悪い)」などの方言。おそらくこれまでに、津軽弁のキャラクターが主人公という例はなかなかないだろう。しかし雪が津軽弁を話すことで、彼が津軽三味線を愛していることや、単身東京に出てきて一人でもがきながら生きている状況が伝わってくる。効果的に方言が使用されている例だといえるだろう。

 続いては末次由紀氏による『ちはやふる』の綿谷新。彼は小学6年生のときに福井から東京へ転校し、そのとき出会った千早と太一をかるたの世界へ引き込んだ。現在は福井県あわら市在住で、千早や太一といるときも福井弁で話している。

 彼の印象的なセリフは「一緒にかるたしよっさ」。胸がキュンとなる告白のセリフだ。もともと福井県では競技かるたが盛んで、あわら市では同作とのコラボも行っている。

『ラブライブ!サンシャイン!!』に登場する国木田花丸も方言を使う魅力的なキャラだ。彼女は自分のことを「オラ」や「マル」と呼び、語尾に「ずら」とつけて話す。これは静岡県沼津の特徴的な方言。同シリーズで方言を使うキャラは彼女が初であり、親しみやすい方言がほんわかした雰囲気に愛らしさをプラスしている。なお『妖怪ウォッチ』のコマさんも同様の方言だ。

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