■味方の回復呪文まで跳ね返していた「マホカンタ」

『ドラゴンクエスト3』から登場したマホカンタは、「魔法+カウンター」がネーミングの由来だと言われている補助呪文。その名の通り、呪文を跳ね返す光の壁をつくることで、敵の攻撃から味方を守ることができる。
 しかし、このマホカンタは『ドラクエ7』まで重大な欠点をもっていたため、非常に使い勝手の悪い呪文でもあった。それが、敵だけでなく、味方の呪文まで跳ね返してしまうことだ。そのため、回復呪文をかけられず、ピンチに陥った経験があるプレイヤーも多くいるだろう。

 仕様が変更された『ドラクエ8』以降の作品では、味方の呪文は反射しなくなったので、安心して使用できるようになった。

 また、作品ごとにマホカンタはその対象が自分のみなのか、他者にも使用できるのかが異なってくる。こうした仕様の差により、マホカンタを有効に活用することが難しい要因になっているだろう。ただし、『ドラクエ3』に登場してからはナンバリング皆勤賞のマホカンタ。使いにくいイメージを払拭し、今後の活躍に期待したいところだ。

■MPをあげるだけの「マホアゲル」も

『ドラクエ8』で登場したマホアゲルは、「魔法をあげる」という名前の通り、MPを味方に分け与えるという呪文だ。ヤンガスが習得する呪文で、ヤンガスのレベルやテンションによって分け与えらえるMP量は変わってくる。

 序盤こそ使用する機会があるかもしれないマホアゲルだが、ヤンガスのMPが低いことや他のMP回復手段があることなどの理由により、有効活用するのが難しかった呪文のひとつだろう。

 その結果からか『ドラクエ9』以降のナンバリング作品では、「MPパサー」という特技に仕様変更された。敵に呪文を封じられても、特技であるため使用しやすいシステムになったことで、場面によっては活躍の幅が広がった。

 マホアゲルはナンバリング作品としては『ドラクエ8』のみの呪文となっているが、MPパサーとして生まれ変わったのちは『ドラクエ11』までの全作品に登場している。忘れられやすい呪文ではあるが、覚えておくと困ったときに役立つことがあるかもしれない。

 今回は、仕様が変更になった呪文について紹介した。仕様が変更されることで混乱する一面があるかもしれないが、基本的にはプレイヤーの利便性が向上する変更であると言える。そのため、仕様変更を作品ごとに違うプレイを楽しめる機会と捉えると、より楽しくプレイできるかもしれない。ぜひ、さまざまなシステムを、一度体験してみてはいかがだろうか。

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