■暗殺に特化した特殊能力を持つ『ジョジョの奇妙な冒険』の「暗殺者チーム」

 荒木飛呂彦氏の『ジョジョの奇妙な冒険』の第5部「黄金の風」には、ギャング組織「パッショーネ」の暗殺専門部隊が登場する。秘密主義のボスを倒す手がかりであるボスの娘・トリッシュを狙い、護衛を務めていた主人公・ジョルノ・ジョバァーナたちと壮絶な戦いを繰り広げたチームだ。

 固有の名前はなく「暗殺者(ヒットマン)チーム」などと呼ばれているこの集団は、総員9名で構成されている。メンバー全員が危険な特殊能力“スタンド”使いの持ち主で、効果範囲内にいる生物を無差別に老化させたり、極低温であらゆるものを瞬時に凍結させて破砕したり、相手の身体の一部をブロック状に削り取ってしまうといった能力を使い、ジョルノたちを極限にまで追い詰め、大いに苦しめた存在である。

 魅力的なビジュアルはもちろん、目的を果たすためならば自分の身の危険すら顧みない覚悟の強さ、仲間を深く信頼する姿、数々の名言などがファンの心を掴み、登場から20年以上経った今でも、ひときわ人気が高いキャラたちである。

 

 殺しを生業にしている暗殺者集団は、単独の敵と比べると各段にレベルの高い強敵感が出ていて少年漫画には欠かせない存在だ。

 なかでも今回紹介したような個性的で堂々と身を晒すような暗殺者集団は、絶対的強さゆえに隠れる必要がなく、姿を見た者は全員殺してしまうから問題ないと言わんばかりの迫力があってカッコ良さが段違いである。これからもさまざまな作品のなかで登場するであろう暗殺者集団から、目が離せない。

  1. 1
  2. 2