豊作と言われている2022年の秋アニメも続々とスタートし、どのアニメを連続視聴しようか、今期の“覇権アニメ”はどの作品になるのかと楽しみにしているアニメファンは多いことだろう。
しかしそれと同時に「第3話の悲劇」が起きないかとヒヤヒヤしている人も少なからずいるのではないだろうか。「第3話の悲劇」とは、アニメの3話で起きる衝撃的展開をさす、ネット上での通称だ。
有名な作品だと2011年放送の『魔法少女まどか☆マギカ』。1、2話ではゆるふわな作風で繰り広げられる魔法少女たちのストーリーかと思いきや、「第3話」で先輩魔法少女の巴マミが敵である魔女に首から上を丸かじりされるという悲惨な最期を遂げてしまう。この衝撃的展開にショックを受ける人が続出。作品の方向性を視聴者に印象づけた神回となった。
3話でこのような唐突な展開がしばしば起きるのは、最近のアニメが1クール全12話前後で構成されており、物語の「起承転結」の「起」の部分が3話で終わるためであろう。制作サイドの意図はバッチリ視聴者にも伝わっているようで、ここから物語がグンと進み、作品のファンが増えることも多い。
また2013年のアニメ『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生 The Animation』も、『まどマギ』同様、作品の世界観を3話で深く印象づけた「衝撃的第3話」が放送された作品だろう。
同作はさまざまな才能を持つ高校生が、互いに「コロシアイ」をさせられ、その犯人を学級裁判で議論するというスリリングな推理ゲームが原作。なお、殺人の犯人だとバレたら「おしおき」と称してむごたらしい方法で処刑されてしまう。
アニメ3話はこのグロテスクでかつ作品の魅力の要でもある「おしおき」シーンが初めて披露された印象深い回。野球の天才だった桑田怜恩は「千本ノック」というおしおきを受け、全身を拘束されながらピッチングマシーンから発射される無数の球を全身で受けることになってしまった。おしおき後の桑田はシルエットではあるもののぐったりとした姿で絶命しており、コミカルなタッチで殺人が描かれる演出に驚いた人も多かった。