■職業は医者! 高級車に乗るハイスペック妖怪『地獄先生ぬ〜べ〜』玉藻京介

 1993年から『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載された『地獄先生ぬ〜べ〜』。本作は、鬼の手を持つ霊能力教師・鵺野鳴介こと”ぬ〜べ〜”が、悪霊や妖怪に襲われるクラスの子どもたちを命がけで守っていく熱い姿が人気の作品だ。

 そんなぬ〜べ〜の童守小学校へ教育実習生としてやってきたのが、玉藻京介だった。サラサラの長髪が美しいイケメンでクールな玉藻に、たちまち学校中の女子は注目する。しかし、彼の正体は400年も生きている妖怪の”妖狐”で、人間の骸骨を使用して人間に化けていた。

 そもそも玉藻がこの学校に来たのは、ぬ〜べ〜クラスの生徒・立野広の頭蓋骨を奪う目的だった。だが、ぬ〜べ〜に阻止されて敗北したあとはライバルとして活躍し、ピンチのときには駆けつけて命がけで応戦するなど、イケメンすぎる行動が人気となった。さらに玉藻は外科医となって高級車に乗るなど、ハイスペックな道を歩んでいくのだ。

 いつでもどこでもモテモテの玉藻。しかしその正体は、人間の骸骨を抜き取って人に化ける恐ろしい妖怪であることに変わりはない……。

 

 今回紹介した稀代のモテ男たちは、ただのイケメンではなく内面や正体にややクセがあるキャラばかり。タキシード仮面のように原作とはまた違った場所でオマージュされた姿が変態だったというイレギュラーはあるものの、”少し残念な部分がある”ほうが親しみやすくて、より愛着が持てるキャラクターになるのではないかと思う。

 さまざまな作品に登場する“稀代のモテ男”たち。彼らの本質をあらためて探りながら読み返してみるのも、面白いかもしれない。

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