『ドラゴンボール』では間違いなく勝ち組? 三度の死から幸せをつかんだクリリンの「波乱に満ちた人生」の画像
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 鳥山明氏による『ドラゴンボール』は全世界で2億部以上を売り上げる人気作。2022年に公開された新作映画『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』も全米オープニング興行収入で初登場1位、全世界週末興収でも1位を記録するなど、世界規模の人気を誇っている。

 そのドラゴンボールの魅力の1つとして、孫悟空を始めとする多彩かつ個性的なキャラクターが挙げられる。主人公だけでなく、その脇を固める登場人物や敵キャラにまでファンが存在する。

 そんなバラエティに富んだキャラの中で、主人公の悟空と関係が深いクリリンはとくに人気を集める人物。長きにわたって悟空と苦楽をともにし、気心の知れた親友という間柄である。だが、クリリンには悟空に匹敵するような圧倒的な強さはないし、派手なエピソードも少ないが、『ドラゴンボール』という作品の中では“勝ち組”と言って良い存在感を示していた。そんなクリリンの生き様をあらためて振り返ってみたい。

■悟空や師匠との出会いと驚異の成長

 クリリンと悟空の出会いは、亀仙人の暮らす亀ハウスである。悟空が亀仙人に修行をつけてもらいにきたのとほぼ同じタイミングでクリリンも海を渡り、亀仙人に弟子入りを申し出た。悟空とクリリンは、亀仙人から同時に弟子入りを認められたいわば同期だ。ちなみにこの頃のクリリンが強くなりたかったのは「女の子にモテたい」という理由だった。

 そこから二人は競い合うように修行を重ね、強さと自信をつけていく。途中から悟空の強さはあまりにも飛び抜けていき、最終的にはクリリンの戦闘力の数百倍にもなってしまうが、出会ったばかりの頃はそこまで大きな差はなかった。

 当初はずる賢く、ちょっと嫌なキャラにも見えたクリリンが、メキメキと強くなっていったのは、亀仙人の厳しい指導と、悟空というライバルと切磋琢磨できたのが大きいはず。クリリンにとって、二人との出会いがその後の人生を大きく変えたのは間違いないだろう。

 そんな出会いからクリリンは悟空の最高の友人となり、いつも一緒に戦うのが当たり前の存在となっていく。読者としてもクリリンが居ないとどこか寂しい……そんな気持ちにさせられるのは、悟空と一緒に歩んだ時間が長いからに違いない。

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