■部下としても優秀だった美女「ナナイ・ミゲル」
続いて紹介するのは『逆襲のシャア』に登場したナナイ・ミゲル。彼女はネオ・ジオンのニュータイプ研究所所長であり、軍事面でも参謀的な役割でシャアをサポート。また劇中では、シャアとナナイが男女の関係にあったことも示唆されている。
物語序盤、ナナイが「大佐、ギュネイ・ガスの空域が膠着状態です。援護の必要を認めますが?」とシャアに提案するシーンがある。このナナイの言葉を受けて、シャアは「総員引き上げのサインを出せ」と命令。だが「出しましたが、MS後退のためにミノフスキー粒子を散布して電波攪乱をすることができません」とナナイは伝えた。
これで結局ナナイの当初の要請の通り、シャアがサザビーでギュネイの援護に向かい、アムロのリ・ガズィと交戦中だったギュネイは何とか離脱することができた。だが、ナナイの提案をシャアが受け入れなければ、この段階でギュネイはアムロに敗れていた可能性も十分にあった。
この一連のやりとりだけでも軍人としてのナナイの優秀さが感じられ、それだけにシャアもその言葉に重きを置いたのだろう。ニュータイプ研究所の所長の要職に就く彼女を旗艦レウルーラに配したのは恋人としての特権ではなく、参謀として高く評価し、信頼していた証と言えるのかもしれない。
ちなみにナナイと二人きりの場所では「父の名前を継ぐのは辛いな。君のような支えが要る」とシャアが告げる場面もある。もちろんシャアの心の中にはずっとララァ・スンの存在があるため、どこまで本気かは分からないが、少なくともプライベートな空間で弱音を吐けるくらいは心を許していたということなのだろう。