■ハイスペック男子の初恋…不器用さが切ない『となりの怪物くん』山口賢二

 ハイスペック男子が超鈍感なヒロインに恋をするのが、『となりの怪物くん』の山口賢二こと”ヤマケン”である。本作はろびこ氏によって2008年から連載されたラブコメディで、”ドライアイス”とあだ名をつけられるほどクールな主人公・水谷雫と、破天荒な問題児・吉田春との初々しい恋愛模様が描かれている。

 そんな雫に恋をするのが、病院の跡取り息子であり、容姿も端麗なハイスペックキャラ・ヤマケンだ。

 ヤマケンは春をいじめていたときに雫に注意されたことがきっかけで、彼女に次第に興味を持つようになる。プライドが高いせいもあり、当初は自分の気持ちを信じることができなかったが、不器用ながらもアピールするようになっていく。

 しかし、勉強はできても恋愛初心者で超鈍感な雫。ヤマケンはさまざまな方面からアプローチをするが、まったく響かない。意を決して行った告白も玉砕……というさんざんな結末を迎えてしまうのだ。

 ストーリー的にはどこまでもスポットライトが当たらないヤマケンだが、雫へのアピールが空振りばかりしている様子が可愛いと、”当て馬ポジション”としてファンに愛されている。普段ツンツンしている男子が自分にだけ甘々な様子は、女子であれば誰でも一度は憧れるシチュエーションではないだろうか。

 

 ヒロインに想いを寄せながら、結果的に選ばれなかった悲しき“当て馬キャラ”たち。しかし、あらためて見てみると彼らは男前で一途なキャラクターが多く、単純にイイ男揃いであることに気付かされる。現実世界で考えるなら、彼らのような男性を選びたいという女子は多いだろう。

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