ヒロインを想い続ける…少女漫画の永遠の“当て馬”キャラ「選ばれなかったイイ男」3選『僕らがいた』『ストロボ・エッジ』『となりの怪物くん』などの画像
フラワーコミックス『僕らがいた』8巻(小学館)

 少女漫画を盛り上げるのは、ヒロインに恋をするライバルの出現ではないだろうか。一人の女性をめぐる三角関係が、ハラハラドキドキと読者の心をくすぐってくれる。

 そこで今回は、ヒロインに想いを寄せながらも“当て馬”のような形となってしまい結果的に選ばれなかったキャラクターにスポットライトを当て、「現実世界だったらこっちを選びたい!」と思ってしまうようなイイ男を紹介していこう。

■当て馬キャラの代名詞!? ヒロインを一途に想ういい男『僕等がいた』竹内匡史

 物語を大いに盛り上げた当て馬キャラと言えば、『僕等がいた』の竹内匡史ではないだろうか。本作は、小畑友紀氏によって『ベツコミ』(小学館)で2002年から連載され、テレビアニメ化・実写映画化も果たしている名作だ。

 ストーリーは、高校生の高橋七美が「クラスの3分の2の女子が必ず恋に落ちる」ほどのモテ男・矢野元晴と出会い、恋に落ちていくというもの。そんなヒロイン・七美に想いを寄せていたのが、矢野の友人でもある竹内匡史だった。竹内は七美に惹かれているのに矢野との仲を応援するなど、“いい人代表”のようなキャラだ。

 紆余曲折ありつつも互いに惹かれ合い、高一のときに付き合い始める七美と矢野だったが、高二で矢野は東京に転校していき、とある事件をきっかけに消息を絶ってしまう。

 5年の月日が流れ、社会人になった七美。前に進もうと竹内と交際を始めるも、そこに現れたのが矢野だった。長い期間離れていたにもかかわらず、変わらず想い合う二人の姿を見た竹内は矢野の背中を押し、復縁するようにけしかける。七美にプロポーズするために婚約指輪まで用意していたのに……だ。

「おまえと高橋はオレの犠牲の上に成り立っている」と竹内が矢野に言った言葉は、彼の生き様をあらわす名ゼリフとして印象に残っている。どこまでもイイ男すぎる竹内の姿に「結婚するなら絶対にこっち!」と思った女性は少なくないだろう。

■ピュアなヒロインを支え続けた一途なチャラ男『ストロボ・エッジ』安堂拓海

 “軽薄なチャラ男が恋に落ちて一途になる”という王道の展開を見せたのが、『ストロボ・エッジ』の安堂拓海だ。咲坂伊緒氏が描く本作は『別冊マーガレット』(集英社)で2007年から連載されたヒット作。

 ピュアなヒロイン・木下仁菜子が学年一の人気を誇る一ノ瀬蓮と出会い、片思いを始めるところから物語は始まる。作中、蓮への恋心を自覚し、仁菜子は衝動的にストレートな想いをぶつけて告白するもフラれてしまう。その様子を見て近づいたのが安堂だった。

 安藤は女の子の連絡先で電話帳が埋まるような、いわゆる”チャラ男”。興味本位で仁菜子にちょっかいをかけたものの真剣に好きになり、ときには危険から身を挺して守ったりもする。

 最終的に蓮と仁菜子は付き合うことになるのだが、そのとき2人の背中を押したのは安堂だった。振り向くことのないヒロインを支え続け、恋敵の背中を押す安堂の見事な当て馬っぷりに虜になった女子も多いことだろう。

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