■志は一緒！“全国制覇”の夢を掲げる赤木のライバル柔道部主将「青田龍彦」
湘北高校柔道部主将の青田龍彦は、キャプテンの赤木とは小学生のころからの付き合いがあり、ある意味ライバルのような関係だ。意外にも多くの女性読者から「イケメン」「カッコいい」と言われているようだが、しかし、柔道部内で唯一赤点を４つ以上とるなど頭はあまり良くなく、見た目と中身がともなっていないキャラかもしれない。
本作の序盤で類まれなる体格、パワー、度胸の良さを持つ桜木を“百年に一人の逸材”と呼び、青田は桜木を柔道部に入れようと画策していた。桜木が片想いしている晴子の写真を餌に、必死に柔道部に引き入れようとするさまは、熱意と執念を感じられる反面、滑稽だった。
そんなギャグ要素たっぷりの青田だが、赤木の士気を高める存在でもある。印象的だったのが、インターハイ出場を賭けた湘北対陵南の試合。試合後半、三井が疲労で倒れ、キャプテンである赤木もファウルが４つ。点差は１点差と縮まり、ギャラリーの応援も陵南一色……。
明らかにアウェイの空間で響いたのが「何をやっとるか赤木ーーーっ!!」という声。なんとそこには柔道着を纏い、県大会優勝旗を持つ青田がいた。そして「全国制覇？ あ!? こんなとこでモタついてて全国制覇ができると思うか」と、試合中の赤木に檄を飛ばすのだ。
運動部のキャプテンという責任やプレッシャーを感じながらも、同じく”全国制覇”に夢を見ていた青田。ライバルが一足早く全国への切符を手にした姿に、赤木も勇気をもらったことだろう。
『ＳＬＡＭ ＤＵＮＫ』では、コートを駆け回るプレイヤーはもちろん、登場人物すべてが魅力的で輝いていると思う。“縁の下の力持ち”ともいえる彼ら応援団は、きっと選手たちにとってこのうえなく心強い仲間だっただろう。
いよいよ公開まで２カ月を切った新作映画『ＴＨＥ ＦＩＲＳＴ ＳＬＡＭ ＤＵＮＫ』でも、彼らの温かな活躍を楽しみにしたい。
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