９０年代、井上雄彦氏により週刊少年ジャンプ（集英社）で連載されていたバスケ漫画の『ＳＬＡＭ ＤＵＮＫ（スラムダンク）』。コート上で繰り広げられる高校生たちの熱いドラマに、世代を問わず多くの人々が魅了されてきた。
そんな『ＳＬＡＭ ＤＵＮＫ』では、コートで魅力を発揮するキャラだけではなく、試合で活躍をする友にいつでも寄り添い、勝利のために応援し続けるキャラも多く描かれている。今回は、名バイプレイヤーである彼ら応援団たちにスポットを当てて紹介したい。
■主人公・桜木花道の最大の味方「桜木軍団」
『ＳＬＡＭ ＤＵＮＫ』の応援団というと、やはり「桜木軍団」を思い出す人は多いだろう。主人公・桜木花道の不良仲間で最大の味方でもある桜木軍団は、桜木をリーダーとし、水戸洋平、高宮望、大楠雄二、野間忠一郎の合計５人で構成されている。不良とは言うものの、弱い者いじめや恐喝ということはしない、”イイ不良”の部類だ。
桜木軍団の最大の魅力は、やはり仲の良さと結束力だと思う。入学早々バスケ部キャプテンの赤木剛憲と対決することになった桜木を見て「あいつはタダ者じゃねえぜ」と賑わうギャラリーに対し「なんせオレたちのダチだからよーー」と自慢してみせたり、部室の掃除に付き合う世話焼きな部分もある。さらに、バスケ部を潰そうと襲撃してきた三井寿から部を守るために応戦し、責任を取るという“汚れ役”を引き受ける正義感をも持ち合わせている。
そんな溢れんばかりの魅力を持つ彼らは、桜木がバスケットマンとして成長していく過程には必ず存在した。桜木の２万本のシュート合宿のときには“協力者”として皆で学校に泊まり込んでシュート練習に根気強く付き合い、遠方の試合であっても必ず駆け付け、桜木を冷やかしながらも最前席で思い切りの応援を見せる。とにかくお茶目で愛情たっぷりの連中なのだ。
ちなみに最大の山場であった山王工業戦後の雑誌記者の取材の際、湘北バスケ部と一緒に写真に写りこんでいた桜木軍団。きっと、桜木だけではなく、湘北チームにとって心強い“最大の味方”として認識されていたのではないだろうか。
■“炎の男三っちゃん応援旗”で三井寿を熱く応援する「堀田徳男」
『ＳＬＡＭ ＤＵＮＫ』のなかでも有名なシーンといえば、バスケ部で騒動を起こす三井のシーンだろう。湘北の番長格だった３年生の堀田徳男は、三井側の不良としてこれに参戦した。
しかし、堀田はただの悪い不良ではない。友でもある三井がバスケ部に復帰できるよう、体育館で起きた暴動を自分のせいだとし、桜木軍団と一緒に罪を被って謹慎を受けるのだ。
その後は、湘北高校の応援団として仲間を引き連れて登場。グレた過去に後悔をしながらも試合で懸命に頑張る三井に対し、誰よりも熱い声援を送り続ける。ときに「炎の男 三っちゃん」と描いた自作の応援旗を振り回し、ときに人目をはばからず、三井のプレイに感動の涙を流す堀田。彼こそ、『ＳＬＡＭ ＤＵＮＫ』で一番ホットな男かもしれないとも思う。
山王戦では、三井だけではなく多くのキャラクターが成長を見せる。覇者として立ちはだかる山王に勝つため、”歴史”に挑戦する湘北へ堀田が贈った「歴史に名を刻め～～～お前等!!」という（変な）応援の言葉は『ＳＬＡＭ ＤＵＮＫ』屈指の名言として、多くのファンの心に焼き付いているだろう。
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