『週刊少年ジャンプ』(集英社)での連載開始から35周年を迎える、荒木飛呂彦氏の人気漫画『ジョジョの奇妙な冒険』。個性豊かな濃い絵柄やポージング、“波紋”や“スタンド”といった独自の概念を用いた肉弾戦に頭脳戦……バトルとホラー・サスペンスの見事な融合が魅力の本作だが、戦いの合間にさまざまな「豆知識」が登場することをご存じだろうか?
窮地を切り抜けるシーンや、何気ない日常シーンで描かれる雑学やノウハウ。今回はそんな『ジョジョ』のなかに登場した、日常使いできそうな豆知識を紹介していこう。
■『ジョジョ』に学ぶ何気なく使える「語学」
『ジョジョ』の最大の特徴といえば、各部ごとに主人公が交代し、新たな世代へと戦いが受け継がれていく点だろう。舞台がイギリスや日本、エジプトと移り変わっていくなかで、登場人物たちが現地の言葉で誰かと会話するシーンが多く登場する。
たとえば第3部では、ジョースター一行がエジプトを目指す途中でパキスタンの街に立ち寄るシーンがあるが、ここでジョセフは町人に元気良く「アッサラーム・アレイクム」と挨拶をしている。これはアラビア語の挨拶で、時刻にかかわらず人と人が出会ったときに使える気軽な一言。直訳すると「あなたの上に平安がありますように」という、祈りの言葉の一種でもある。
また、物語の舞台がイタリアの第5部では、会話の随所にちょっとしたイタリア語が登場する。仲間の一人であるブチャラティが相手を葬るときに使用した「アリーヴェデルチ」は「さよなら」という意味合いの日常単語で、決着をつける際にこれを用いる姿はなんともお洒落であった。
ほかにも、主人公・ジョルノが口にする「ベネ(良し)」や、これを発展させた「ディ・モールト・ベネ(とても良い)」といった言い回しも、肯定の言葉としては使い勝手が良さそうである。
このように誰でも知っている気軽な挨拶や言い回しを知っていれば、その土地に行ってもスッと馴染むことができる。『ジョジョ』を読みながらさまざまな土地の言葉を学ぶのも、面白いのではないだろうか。