■理不尽すぎるペナルティ付き!『HUNTER×HUNTER』“ナニカ”
最後に紹介するのは、願いを叶える力を持つ人間(?)――『HUNTER×HUNTER』に登場する“ナニカ”である。ナニカはゾルディック家の一員・アルカの裏人格のような存在で、「おねだり」と引き換えに「お願い」を叶えることができる。なお登場人物の推測によれば、叶えるお願いには際限がないようだ。
ナニカによるおねだりは3つで、その内容はお願いと等価交換となる。つまりお願いが大きければ大きいほど、難易度の高いおねだりをこなさなければならない。作中で出てきたおねだりには、「小指の爪ちょうだい」「肝臓ちょうだい」「背骨ちょうだい」といった残酷なものも……。
ちなみに4回連続でおねだりを断ると、最低でも本人とその人物がもっとも愛する人物が死んでしまう。お願いの大きさによってはもっと多くの、それこそ世界規模の人間が命を落とすかもしれない、とんでもないペナルティ付きの力なのだ。
しかもナニカからおねだりをされるのは、なぜかお願いを叶えてもらった本人ではなく、それ以外の他人である。おねだりのターゲットに選ばれた人は強制的に他人の尻ぬぐいをさせられ、しかも断れば問答無用で殺されるのだから、理不尽としか言いようがない。
逆に言えば、ものすごく大きな願いを叶えてもらって勝ち逃げすることもできるのだが、自分もペナルティ対象となって死ぬ可能性が高いので、結局は意味がないのである……。
残酷すぎる手段で願いが叶えられたり、本当の望みだけは無視されたり、理不尽なペナルティがあったり.......。“どんな願いも叶える存在”には、メリット以上にデメリットが大きすぎるものも少なくない。
自分の願いは可能な限り自力で叶え、身に余ることは望まないようにする。平凡で平和な生活を望む人間には、やはりこれが1番である。でもいざというときにそうは割り切れないのもまた、人間の性なのだろう。