■剣心の嫌いなものは薫の料理…?『るろうに剣心』神谷薫
佐藤健主演の実写映画もシリーズ化された和月伸宏氏の『るろうに剣心』は、『週刊少年ジャンプ』(集英社)で1994年から5年間連載された名作。『るろ剣』の名称で呼ばれるこの作品は、続編である北海道編も2017年から『ジャンプスクエア』で連載が開始されている。
主人公の緋村剣心は、幕末において「最強の人斬り」と言われていた”抜刀斎”で数々の要人を殺めてきたが、明治維新後は人斬りに疑念を抱き”不殺”を誓うようになった。『るろ剣』はそんな剣心が、逆刃刀を携えて流浪人として旅をしながら道場を営む神谷薫と出会い、時代に翻弄されながら懸命に生きる姿が描かれた作品である。
本作のヒロインでもある薫は神谷道場の師範代。相当な剣術の腕前を持ちながら、見た目もとても可愛いのだが、そんな薫の欠点が料理だった。本人は料理下手を自覚していないが、周囲の人間は薫の料理に戦慄しており、剣心にいたっては苦手なものに”薫の料理”を挙げるほど。
見た目が爆発的に悪いわけではないのだが、薫の作った味噌汁を寝ている時に口に注がれた相楽左之助は、思わず「誰だァ! 今毒を盛ろうとした奴ァ!!」と飛び起きている。
そんな壊滅的な料理の腕を持つ薫だが、のちに剣心と結婚する。剣心の食生活が危ぶまれたものの、薫の料理の腕前は少しずつ上達していき、おにぎりのような簡単な料理であればちゃんと作れるほどにはなっていく。その様子を見て、ほっと胸を撫で下ろしたファンも多いだろう。