■恩人である女性を守るため戦い続けた死神『マクロスΔ』メッサーとカナメ

 最後に紹介するのは、2016年4月から約半年間放映されていた『マクロスΔ』からメッサー・イーレフェルトとカナメ・バッカニア。本編では主人公のハヤテ・インメルマンを中心に、戦術音楽ユニット「ワルキューレ」の新人フレイア・ヴィオンとミラージュ・ファリーナ・ジーナスとが三角関係を繰り広げていた。

 ここで取り上げるメッサーとは、ハヤテやミラージュが所属するケイオスΔ小隊のエースパイロット。寡黙で真面目な性格で、必要なら味方を撃つことも厭わない冷徹さを持ち、機体に描かれた死神のマークから「蒼い死神」や「死神野郎」と呼ばれている。

 そんな彼は2年前、故郷がヴァールシンドロームで壊滅した際に自身もヴァールに感染していた。自我を失い凶暴化したメッサーを正気に戻したのが、当時「ワルキューレ」のエースだったカナメの歌声だったのだ。以降、メッサーはブレスレット型の再生機でカナメの曲を聴くことで、断続的に起こるヴァール化の発作を押さえ込んでいた。

 ヴァール化に苦しみながらもメッサーが戦い続ける理由は、恩人であるカナメを守りたいという想い。しかし、ヴァール化が周知され最前線から離れることとなったメッサーは、Δ小隊とワルキューレの危機を知り単独出撃。敵である「空中騎士団」のキース・エアロ・ウィンダミアと死闘を繰り広げ戦死してしまう。

 マキナやレイナの見解ではメッサーはカナメが好きだと感じていたようだが、メッサー本人からは言及されてはいない。だが、最期まで「恩がある」と語っていた彼の思いは、命がけで戦い続けた姿に集約されているのかもしれない。

 理想的なカップルとして有名なロイ・フォッカーとクローディア・ラサール、ゼントラーディ軍のカムジンとラプラミズはミンメイの歌に対抗するようキスをしてみせたりなど、『マクロス』には魅力的なカップルがまだまだ多そうだ。

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