■魂を込めたその歌に視聴者の多くが涙した!『マクロス7』ギギルとシビル
続いては、1994年10月から放映されていた『マクロス7』から、ギギルとシビルの二人。ミレーヌを中心に熱気バサラとガムリン木崎との間に微妙な三角関係を築くその影で、「プロトデビルン」の名で恐れられていたギギルが命がけの愛の歌を響かせたのだ。
「プロトデビルン」とは、艦隊さえも容易に壊滅させられるほどの力を持つ“未知の異生物”。彼らの一体であるギギルは、自分が集めたスピリチア(※他生物の生体エネルギー)によって独断で少女・シビルを復活させてしまう。
シビルは自由奔放な性格のため、首魁であるゲペルニッチからの命令をいくどとなく無視していた。スピリチアを奪うためマクロス艦へ強襲をくり返すシビルだったが、バサラの歌をきっかけに互いに惹かれ合うようになる。だが、たび重なる命令無視によりゲベルニッチの怒りを買ったシビルに対し抹殺命令が下されてしまう。
シビルの危機を感じ取ったバサラがファイアーバルキリーで駆けつけると、そこにはシビルのため身を挺して戦うギギルの姿があった。お世辞にも美男子とは言えないギギルが、「シビルのためだったら俺はどうなってもいいんだ!」「俺はギギルだ! 俺の歌を聞けぇ!!」と全身全霊を込めてダミ声で歌うシーンは圧巻。
バサラたちをつき動かし、多くの視聴者を感動させたまさに命がけの「熱唱」であった。