世の少女漫画には、主人公が恋をするヒーローが登場する。その男性像はさまざまで、爽やかなイケメンから危険な香りがするワルい男までと幅広い。そこで今回は、少女漫画に登場するイイ男を「彼氏に読ませたい」という視点から紹介しよう。
■少女漫画の鉄板ヒーロー!『君に届け』の風早翔太
少女漫画鉄板の“爽やかイケメン”といえば、椎名軽穂氏の『君に届け』に登場する風早翔太だろう。本作は『別冊マーガレット』(集英社)で2005年から2017年まで連載され、2010年には多部未華子主演で実写映画化もされている。
真っ黒なロングヘア、青白い肌をしている爽子はホラー映画『リング』に登場する“貞子”に似ていると同級生に言われ、クラスから浮いた存在だったのだが、そんな爽子に対して偏見を持たず接し、クラスの仲間に引き入れる手腕を発揮したのが風早だった。風早は主人公・黒沼爽子が恋に落ちる相手。そのルックスと性格の良さから作中でも男女問わず好かれるキャラでファンの心を鷲掴みにした。
実は風早、入学式の朝から爽子の笑顔を見て一目惚れのような感情を抱いていた。爽子と接するうちに、その純粋な性格や見た目とは裏腹な前向きで明るい内面に惹かれ、恋をしていると自覚。晴れて2人は恋人同士となるのだが、風早は人気者になっていく爽子に嫉妬したり、強い独占欲を持つことも……。そんな愛情の深さも、風早が人気キャラクターであるゆえんだろう。
風早のように爽やかで性格も良く一途に思っていてくれる彼氏がいたらと、多くの女子が夢に見たヒーローだと思う。
■文武両道の王子様キャラでも影の努力家!『ちはやふる』の真島 太一
『BE・LOVE』(講談社)で2008年から14年間にわたって連載された末次由紀氏の『ちはやふる』。“競技かるた”をテーマにした作品で、アニメ化や映画化されただけはなく、競技かるたの浸透に貢献していることでも知られている。
そんな『ちはやふる』に登場する真島太一も、多くの女性たちを虜にしたモテ男。太一は主人公・綾瀬千早の幼馴染で成績優秀&スポーツ万能の文武両道タイプ。また、祖父も父も医者という裕福な家庭で育っているうえ、ルックスも超イケメンという“The 王子様”のような存在だ。太一は多くの女子にモテているものの、好きなのはヒロインの千早ただ一人。一途に長く片思いを続けていた。
大きく2人の恋が動いたのが、千早が太一の誕生日に企画した「太一杯」でのこと。「好きなんだ 千早が」と告白するも想いは届かず、フラれてしまう太一。その出来事がきっかけとなり、なんと、かるた部を退部してしまう。
恵まれたポテンシャルを持っている太一だが、かるたでも恋でもライバルである綿谷新の存在にヤキモキしたりもするし、競技かるたをするうえで大切だとされる聴力も瞬発力もない。それでも、持ち前の努力でかるたに再度向き合い、男としても粛々と成長を遂げていく姿が良い意味で“普通”っぽく、そんな太一の素直さ、実直さに惹かれたファンは多いだろう。