■正義の味方な第九王子のハルケンブルグ

 第九王子でありながら、国民からの信頼も厚いハルケンブルグ=ホイコーロは王子の中でも一番の常識人と言えるかもしれない。

 無益な殺し合いを避けるため儀式の中断を提案するなど比較的まともな感性があり、モモゼ王子が亡くなった際には涙を流しており、王位継承戦自体を無くす方向で動いている節がある。

 人格者なハルケンブルグの守護霊獣は、彼の部下たちが集まることで莫大なオーラを発生させるというもの。作中では「相互協力型」と言われており、羽の刻印を持つものが王子と意思を統一することが条件。そのオーラ量は「あらゆる念能力の中でも最大級」とされており、攻撃に利用すればどれほどの威力になるか想像もできない。

 ハルケンブルグが守護霊獣の能力を自覚し、王位継承戦を壊すために動き始めるとベンジャミンたちとの対決も避けられないか?

■クラピカが護衛する第十四王子のワブル

 最後はクラピカが護衛についた第十四王子のワブル=ホイコーロだ。

 王子の中では唯一赤ん坊のため意思はなく、何かあれば母親のオイト王妃が判断を下している。だが、しっかりと守護霊獣は発現している様子。守護霊獣を発現させる壺虫卵の儀では、ワブル王子から発せられるオーラにクラピカが驚いている描写があり、ポテンシャルは高いのではないだろうか。

 もしかするとワブルの守護霊獣次第で、クラピカの目的である緋の目奪還も楽になるかもしれない。

 ということで今後の王位継承戦で中心になりそうな王子たちを紹介したが、最新36巻では他にもカキンマフィアという新たな勢力の登場も描かれていた「王位継承戦」。

 シュウ=ウ一家と第三王子のチョウライ、エイ=イ一家とツェリードニヒ、シャ=ア一家の第七王子ルズールスは、それぞれ各王子が後ろ盾となっており、彼らカキンマフィアが現在幻影旅団と接触しており何らかの形でそれぞれの王子たちの援護に入ると思われる。

 14人の王子にマフィア、幻影旅団に十二支んの思惑が絡み合い、今後の展開はより複雑なものになっていくだろう。あまりにも大量のキャラが一堂に集まった暗黒大陸編および王位継承戦。コミックス37巻を読む前に、そして連載が再び始まる日に備えて、人間関係を今一度整理しておきたいところだ。

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