本家より有名になった「スピンオフ作品」3選 『アカギ』に『とある科学の超電子砲』、ゲームの『桃太郎電鉄』など、元ネタを知らなかったケースもあるある?の画像
近代麻雀コミックス『アカギ ~闇に降り立った天才~』(竹書房)第1巻・書影より
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 漫画やアニメ、ゲームなどには、本編から派生して生まれたスピンオフ作品というものが存在する。人気作品に登場する脇役を主人公にして描いたり、登場キャラをそのまま別の世界に落としこんだりといろんなバリエーションが見受けられる。

 場合によっては制作者の遊び心から生まれるスピンオフ企画もあるようだが、中には本家すら凌ぐほどのメジャー作品になったケースも……。そこで今回は、元ネタとなった本家より知名度がありそうなスピンオフ作品を漫画、アニメ、ゲームなどから紹介していきたい。

■誰にも真似できない孤高の雀士の過去を描く『アカギ』

 まずはギャンブル漫画に定評のある漫画家、福本伸行氏による『アカギ ~闇に降り立った天才~』。テレビアニメや実写ドラマなどにもなった人気作品で、アニメ版のアカギの声を萩原聖人が演じたことでも知られる。

 麻雀漫画として有名な『アカギ』だが、実は福本氏の手がけた別タイトル『天 天和通りの快男児』からのスピンオフとして生まれた作品だ。

『天』に登場する“アカギ”こと赤木しげるは壮年の伝説の麻雀打ちで、最初は天のライバルとして現れる。その後アカギは、天とともに戦うことになるのだが、主人公の天よりもインパクトのある、華のある麻雀打ちとして描かれ、人気を博した。

 そして生まれたスピンオフ漫画『アカギ ~闇に降り立った天才~』は、伝説の雀士アカギの少年時代から青年にかけてのエピソードを掘り下げた作品。そこにはアカギという強烈なキャラが見せる、天才的かつ独創的な発想が随所に散りばめられ、彼のカリスマ性をより強く印象づける作品となった。

 結局『アカギ』は、福本氏の作品の中でも最長連載となり、コミックスの累計発行部数は1200万部を突破。さらに『天』と『アカギ』は並行して連載されたため、『天』の中でもアカギの存在はどんどん大きくなり、『天』の最終章はアカギを中心に据えた物語になっていたのも印象的だ。

 もしかすると“アカギ”こと赤木しげるは知っているが、そのスピンオフ元である『天』の主人公・天貴史のことはよく知らないという人もいるのかもしれない。

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